2018年09月07日 1541号

【1541号主張 歴史に逆行する安倍内閣倒す 沖縄知事選勝利、東アジア平和で】

総裁選で改憲加速

 8月26日、改憲への加速を目指す安倍首相は自民党総裁選出馬を宣言した。宣言の地は、背後に桜島を望む鹿児島県垂水(たるみず)市。昨秋の解散総選挙の際、選挙演説を福島から始めた姿が思い起こされる。「地方重視」に見せかけるパフォーマンスだが、新自由主義政策で地方を極限まで破壊した張本人が安倍政権であることを市民は見抜いている。反対勢力が押しかけられないような場所での第一声は、世論の支持を得られない自信のなさの表れだ。

 総裁選には石破茂元防衛相が立候補を表明している。安倍は石破が求める討論会の開催要求にも応じず逃げ回る。だが、石破も戦力不保持を定めた憲法9条2項の削除を一貫して主張。安倍は3選で臨時国会の改憲案提出を狙う。総裁選は「1%」のグローバル資本が求める改憲と戦争国家への競い合いにすぎない。

知事選勝利で新基地止める

 その戦争国家が最も暴力的に襲いかかっている沖縄で9月30日、知事選が行われる。政府与党が推薦する佐喜眞淳(さきまあつし)前宜野湾市長がすでに出馬を表明。翁長雄志(おながたけし)知事の遺志を継ぐオール沖縄陣営は調整会議の全会一致で玉城(たまき)デニー衆院議員(自由党幹事長)に出馬要請し、玉城議員も受諾した。

 政府与党は、見せかけの経済「振興」策と徹底した企業・団体締め付け、基地建設は止まらないとの諦め誘導や悪質なデマ中傷で票をかすめ取った名護市長選の再来をもくろむ。卑劣な選挙戦術をはね返し勝利するために、辺野古阻止の民意で結ばれたオール沖縄の一層の強化と同時に、全国の連帯が求められる。新基地建設も「振興」策もグローバル資本のために県民に犠牲を強いるものだ。翁長県政が進めてきた子どもの貧困克服などの施策こそ継承発展させなければならない。

 最大の争点は、まぎれもなく辺野古新基地建設の是非だ。知事選勝利は建設阻止への決定的前進となる。また、「いつまでも議論を続けることはできない」と改憲加速を狙う安倍の戦争路線に打撃を与え、打倒の展望をつくり出す。

民衆連帯で平和構築

 戦争の時代を終わらせ平和を構築する不断の努力を世界の市民は続けてきた。歴史を逆転させ東アジアの緊張をもたらす安倍は、アジアと世界の平和構築の妨害者だ。韓国民衆をはじめ市民の運動と国際連帯は朝鮮半島情勢を大きく転換させた。南北・米朝首脳会談から朝鮮戦争終結宣言実現へと、いま市民の力で推し進めなければならない。

 MDS(民主主義的社会主義運動)は8月25〜26日、第19回大会を開催した。改憲阻止と安倍打倒こそが東アジア平和構築に向けた私たちの回答≠ナあることを確認。沖縄知事選勝利と日韓市民連帯に全力を挙げ、「安倍9条改憲NO!3000万人署名」とともに全交(平和と民主主義をめざす全国交歓会)が新たに呼びかけた「東アジアの平和を求める署名」を地域に広げる方針を決定した。

 日本でも世界でも99%の市民は生きづらさを抱える。地域や生活の隅々にまで及ぶグローバル資本主義の支配を掘り崩し、戦争、差別排外主義、貧困、原発のない新たな社会への変革―民主主義的社会主義への道を切り拓こう。

  (8月26日)
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