2018年09月07日 1541号

【青空のびのびプロジェクト 避難者親子も解放感いっぱい 分かち合う子育てを一緒に】

 8月11〜13日、福島原発事故から避難している親子を交えたキャンプ「2018青空のびのびプロジェクト」が京都府京田辺市野外活動センター「竜王こどもの王国」で行われ、参加者はめいっぱい楽しみ交流した。運営を担った子ども全国交歓会(子ども全交)関西事務局の松昌子さんに報告を寄せてもらった。

たくさんの協力で

 福島原発事故の翌2012年から始まった夏のキャンプ、青空のびのびプロジェクトも7回目になります。

 今年もたくさんの協力がありました。大学生ボランティアの時から来ていた若者は就職してもお盆休みを使ってきてくれました。参加者の「おいしいご飯が楽しみで」の声が多い初日の夕食を一手に引き受けてくれる子ども全交OB(?)のお母さん、子ども全交合宿にかかわった高校生などなど。多くの人びとの支えで、避難者親子を合わせ、総勢63人が集まりました。

 3・11から7年5か月。今年初めて参加した避難者は「やっとこうした企画に参加する余裕を持つことができた」と胸の内を話してくれました。

 低線量被ばくの危険性を訴え、「避難者こども健康相談会」の活動を行う医療問題研究会・松勇医師の講演会も毎年恒例。避難者と一般参加者が学び交流する場となっています。「(健康被害を)見ないようにしてきた」「悩んで悩んで、どっちを選んでも悩むのなら動いたほうがいいと(避難した)。家族で乗り切って、子どももなじんで。でもグルグルしてる。これから(健康被害が)出てくるのではと思うと…」。今もなお付きまとう不安や心配に、一緒に涙することもありました。

 「現実から目をそらさずにしっかり考える機会があるのはすばらしい」と感想にありました。ただ、子どもプログラムと同時進行のため、そうした避難者の話を参加者みんなに聞いてもらうことができず、残念です。次回は工夫して、みんなで共有したいと考えています。

ゲーム機に触らない3日間

 キャンプのだいご味はやはりキャンプファイヤー。「もっと歌ったり踊ったりしたかった〜!」と大人の感想がたくさん返ってきました。

 ゲーム機を触らない3日間は、身体をめいっぱい使って、五感を使って「楽しい!」を感じる子どもの貴重な経験となります。同時に、大人にとっても、自然の解放感の中で子どもと一緒に楽しみ、英気を養うのは大事なことだと感じます。毎日、親自身が一杯一杯≠ナ子どもと向き合ってもなかなかうまくいきません。「子どもと一緒にいる時間が楽しかった」との感想はうれしいです。

 親たちが孤立せず、自己責任§_に陥らず、子育ての日々の思いを分かち合える取り組みをともにつくっていきたいと思います。

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 避難者の思いを受けとめようと、医問研の医師らと取り組む「避難者子ども健康相談会おおさか」(9月23日<日>大阪・ドーンセンター)も、14回目です。低線量被ばく問題の報告や避難者の話など、午前のセミナーはどなたでも参加できます。ぜひおこしください。











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