2018年09月14日 1542号
(実発行日 9月7日)

【1542号主張 新基地を阻む沖縄知事選 1_もぶれない玉城必勝を】

承認撤回、阻止に全力

 「基地は造らせない翁長知事の熱い思いを受け止め、全力で対応」と、8月31日沖縄県は辺野古新基地建設をめぐる埋め立て承認を撤回した。厳しい病を押して闘った翁長(おなが)知事の作った道筋であり、最大の切り札行使だ。翌1日、キャンプ・シュワブゲート前大行動に集った市民800人は歓迎の声を上げ、「断念を実現させよう」と誓いの拳が振り上げられた。

 承認撤回は、承認後の事情の変化を理由に許認可の行政処分を取り消す措置だ。辺野古埋め立てをめぐっては、数々の違法が明らかになっている。超軟弱と判明した海底地盤、地震を引き起こす活断層も見つかった。国は、埋め立て承認の条件とされた環境等保全の事前協議もせず、県の行政指導にも従わない。国の瑕疵(かし)(欠陥)は明らかであり、撤回は当然だ。

 しかし、国は対抗措置として撤回の取り消しを求める訴訟や撤回効力の執行停止を求める申し立てを口にする。以前、県が公有水面埋め立て承認を取り消した時、国は法廷闘争に持ち込んだ。司法人事にまで介入して政権に従う裁判官へと入れ替え、最高裁は道理と民意を切り捨て、国の言い分そのままの判決を出した過去がある。今回も同様に、やっても無駄と「あきらめ感」を誘導し、国家権力で自治を踏みにじろうというのだ。地方自治体・民衆を愚弄(ぐろう)するにもほどがある。政府の狙う「あきらめ感」を跳ね飛ばし、全国から沖縄連帯の闘いを強め、国の横暴を糾弾しよう。

遺志継ぐ玉城予定候補

 沖縄県知事選が9月13日告示される。翁長知事の遺志を継ぎ、玉城(たまき)デニー衆院議員が立候補を表明した。

 政府・自公与党などが総力で推す佐喜真淳(さきまあつし)・前宜野湾市長は、マスコミ各社が開催する討論会や番組出演を一切拒否し、文書での質問にしか応じないという「異例中の異例」の対応をとる。言葉で話し合い納得を作ることが民主主義の根幹だが、対話を拒否し、水面下の誘導政治で票をかすめ取ろうとする姿勢は、まさに安倍政治そのままだ。

 玉城デニーさんは、沖縄の苦節の歴史を自らの人生に重ね、たゆむことなく生きてきた。「あらゆる手段で新基地建設を止める方向性は1_もぶれることはない」と決意を語る玉城予定候補への支援を最大限集めよう。

世論はアベ政治NO

 9月7日自民党総裁選が告示される。直前の世論調査では、どの調査でも安倍のもくろむ新基地建設、改憲ともに反対が上回る結果となった。

 改憲案について―反対49・0%、賛成36・7%(8/27共同)、提出を急ぐべきでない73%、急ぐべき17%(8/27日経)、改憲提出時期はいつがよいか―秋の臨時国会18%、提出する必要はない31%(8/27読売)。辺野古新基地についても、政府方針を支持しない旨の回答が共同、産経、読売すべてで上回っている。

 一切の批判、異論を認めないアベ政治の独善ぶりに反発が広がっている。世論の一定の「石破支持」は、それほど安倍への嫌悪感が強いことを示すものに他ならない。

 総裁選を機にさらに安倍批判の行動をつくりだそう。地域から、改憲、新基地を許さない世論と安倍打倒への共感を広げよう。

  (9月3日)
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