2018年09月14日 1542号

【関東大震災95年/朝鮮人犠牲者追悼に700人/今年も追悼文拒否した小池都知事/ソウル市長からメッセージ届く】

 関東大震災から95年の9月1日、東京・墨田区の横網町公園で、震災時に虐殺された朝鮮人犠牲者を追悼する式典が行われ、例年を上回る700人が参列した。

 日朝協会東京都連の宮川泰彦会長が開式のことば。「小池百合子都知事に追悼文の送付を求める署名が9500名・150団体以上から寄せられ、知事に届けたが、知事は昨年に続き送付を断った。小池知事は過去の悲惨な歴史に触れたくないかのように見える。もう一度立ち止まって式典の意義を見つめることを強く求める。絶対に同じ過ちを犯してはならない」

 読経と韓国伝統舞踊家・金順子(キムスンジャ)さんの「鎮魂の舞」に続き、各界から追悼の辞が送られる。「日本社会は当時の民衆が抱いていた排外意識から今も脱却できていない。なぜ私たちは犠牲者の痛みを自らの痛みと感ずることができないのか」と問うのは、関東大震災朝鮮人虐殺の国家責任を問う会の田中正敬事務局長。朝鮮総聯東京都本部の梁春植(リャンチュンシク)副委員長は「虐殺行為の清算も謝罪もなされていない。朝鮮学校の生徒たちを対朝鮮政策の人質にとる陰湿で狡猾な差別が行われている。戦争前夜から対話へと大きく変わった流れに沿って、ピョンヤン宣言を履行し、朝日国交正常化の実現に尽力してほしい」と述べた。

 メッセージが村山富市・鳩山由紀夫両元首相らに加え、朴元淳(パクウォンスン)ソウル市長からも届いた。「100年近くの長い間、日本政府はもちろん韓国政府も事件から目を背けてきた。歴史は記憶する者にこそ与えられる。ソウル市は記憶されるべき残酷な歴史の真実を究明し、追悼することに全力を尽くす」と決意を明らかにしている。

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