2018年09月28日 1544号

【誇りある豊かさを/沖縄知事選告示 基地は造らせない/玉城デニー候補GO!/伊江島からスタート/子どもの貧困克服へ/9月15日若者企画で生トーク/9月12日デ二―がんばれと女性集会】

 9月13日、沖縄県知事選告示日。翁長雄志(おながたけし)知事の辺野古に基地は造らせない∴竡uを継ぐ玉城デニー候補(前衆院議員)は、伊江島での出発式を皮切りに名護市、辺野古ゲート前、宜野湾市から那覇市へと全島を駆け巡った。

 デニー候補は、どの演説でも伊江島でのスタートのことから語り出す。

 「県庁前スタートの予定を、伊江島にしてほしいとお願いした。私は母親の生まれた故郷の伊江島からどうしても出発したかった。私のルーツであり、離島の苦しみを抱え、戦後、米軍の銃剣とブルドーザーで土地を奪われ、阿波根昌鴻(あはごんしょうこう)さんらが乞食(こじき)行進≠した島ぐるみ闘争の発祥地だ。母親を敬い、故郷を大切にしたい、戦を絶対にさせないというウチナーンチュ(沖縄人)の肝心(チムグクル)―翁長知事の『イデオロギーよりもアイデンティティー』で生まれた島ぐるみの闘いの原点をもう一度奮い立たせ、未来の沖縄をつくりたい」

5か月前の決意

 5か月前の偶然の出会いが思い起こされた。4月22日、伊江島に向かうZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)沖縄参加団は、伊江島と本部(もとぶ)港を結ぶ連絡船から喪服で降りてくる玉城デニーさんを見た。その日、伊江島では沖縄戦慰霊祭が行われていた。デニーさんは慰霊祭に出席していたのだ。

 4年前の知事選告示日早朝、翁長知事が糸満市の「魂魄の塔」を訪れたことに結びつく。魂魄の塔は、知事の父が沖縄戦で犠牲になった無名の遺骨を集め弔ったものだ。

 伊江島では住民が兵士になることを強制され、沖縄戦でも最も深刻な被害を出した。その城山(ぐすくやま)登山口の駐車場で出発式第一声を発した深い意味に改めて思い至る。

 玉城デニー候補は、子どもの貧困克服とそのための自立型経済を強調する。

 「翁長県政が各県に先駆けて調査した子どもの貧困。全国で6人に1人が沖縄では3人に1人。命を宿したお母さんがその子を産み、育てあげるまで、貧困から抜け出す切れ目のない政策が必要だ。非正規の若い人たちが働きがいがあり収入を得られ、大学生も何百万の奨学金(借金)がなくてすむ沖縄へ。基地を受け入れ国の補助金―それはまたヤマトのゼネコンに戻っていく―に頼るのでなく、アジアにうって出る自立型経済をつくる。経済と平和、大切な2つの理念で、翁長知事の掲げた『誇りある豊かさを』」。訴えは市民の心に届き、大きな歓声と拍手を受けた。

 わずか2週間の選挙戦。全国からの支援が必要だ。(N)



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