2018年10月05日 1545号

【議会を変える 大阪府枚方市議 手塚たかひろ 台風被害 市民に寄り添わぬ市政】

 大阪北部地震に続いて、台風21号は私たち枚方市民に甚大な被害をもたらした。多くの家で屋根瓦やベランダの波板が飛んだ。

 市役所にはブルーシートの配布を求める市民が列をなした。1週間で約3千件のブルーシートが配布された。

 しかし、地震で新設した被災住宅補修支援金は、今回の台風被害には適用されないとのこと。自然災害による住宅被害は同じ、台風被害にも適用すべきだと意見を述べた。「適用を検討する」と答えはあったが、いまだに実現していない。非常時にこそ、市民に寄り添った迅速さが市政には求められる。

 美術館建設を阻止し、伐採から守った香里ケ丘中央公園の樹々も倒れたり折れたりし、台風の翌日は公園の森を歩けない状態だった。

 公園の維持管理予算は少なく、現場の職員も十分な手入れができていないことを認めている。

 公園の被害は暴風のためであるが、日ごろから公園の維持管理に金をかけていないことの結果でもある。口先だけの「緑を大切にする」を許さず、維持管理できる財政的要求をしたい。

 5年前に天井落下防止工事を行った枚方市民会館大ホールの天井が地震で損傷。来年の6月まで約1年は使用不能と市は説明した。

 「数千万円も使って耐震工事などを行ったにもかかわらず、長期間使用不能となる被害が生じたのは工事に問題があるのではないのか。いつから再開するのか」と8月27、28日の市議会全員協議会で問うが、「耐震工事は倒壊防止のため。震度6弱の地震でも倒壊も、天井落下もなかった。工事に問題はない。使用できるかどうかは別問題」との答え。耐震工事は倒壊防止だけが目的。ほかのことは関知しない≠ニ言わんばかりの市の態度だ。

 地震に負けずに使用継続できるための工事をしてほしいとの市民感覚とかけ離れた答弁に驚いた。おまけに再開の時期については、いくら聞いても明確な答えがなかった。

 議会での質問の2日後、「3年後に新しいホールを作る予定なので大ホールは補修を行わず廃止する」方針との文書が届いた。

 廃止決定が、市議会での議論後わずか2日で決まったとは考えにくい。多くの議員からの追及を逃れるために、全員協議会ではあいまいな答えに終始したとしか思えない。安倍内閣の国会答弁同様の、市民と議員に不誠実な行政運営に怒りを覚える。

 この市政を市民とともに変えなければとの思いを強くしている。 
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