2018年10月12日 1546号

【みるよむ(498) 2018年9月29日配信 イラク平和テレビ局in Japan イラク政府による インターネット遮断に反対する】

 イラクは今、水や電気の供給不足、社会サービス崩壊への怒りが高まり、抗議デモが各地で展開されている。これに対しイラク政府は、インターネットを遮断して人びとの連絡を断ち切り、抗議行動を弾圧しようとしている。2018年6月、サナテレビはこの問題について市民にインタビューを行った。

 最近のイラクでは、水も電気も来ない暮らしが続いている。市民が各都市で立ち上がり、何の対策も取らない政府を批判するデモがひんぱんに起こっている。

 デモを組織する時に、インターネットなどSNSが活用されている。市民活動家は「インターネットはデモの動員や組織化や計画をするのに役立ちました」と答えている。これは、イラクに限らず、中東でも、欧米でも、日本でも世界中で行われていることだ。

 ところが、「政府はイラク全土でインターネットとSNSのサイトをブロックした」のである。

 ある学生は「インターネットの遮断が抗議行動と同時に起こったのはなぜでしょうか」「なぜ、多数のSNSのサイトが閉鎖されたのでしょうか」「インターネットの遮断がデモの時間と同時に起こったのはなぜでしょうか」と問いかける。答えはただ一つ、政府が「デモ参加者が抗議行動の広場にたどり着くのを妨害するため」なのだ。

闘いは中断しない

 別の市民活動家は「人びとが沈黙を続けることは決してありません」と語る。インターネットが少々遮断されたくらいで闘いは中断しない。「人びとは反抗を継続し、闘いは要求が満たされるまで続きます」と断言する。

 今のイラクで一番問題なのは「水がなく、電気がなく、社会サービスがなく、まともな生活を送れない」という市民の生活実態であり、権力闘争と石油利権争いにあけくれ何の対策もしない政府や政治家だ。

 何か月も水や電気が来ないという状態が続く。サナテレビは、そんな社会を変える闘いは政府によるインターネットの遮断などで抑えられることはないとはっきり伝える。生きていくための最低限の社会サービスを取り戻す闘いを進めるイラク市民に日本からも連帯したい。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)



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