2018年10月12日 1546号

【被害者に笑顔の戻る判決を/かながわ訴訟原告団長 村田弘さんを囲んで/青島まさはる水曜ミーティング】

 平和と民主主義をともにつくる会・かながわは9月26日、横浜・鶴見のフリースペースたんぽぽで開いている水曜ミーティングに福島原発かながわ訴訟原告団長の村田弘(ひろむ)さんを招いた。

 南相馬市小高区から横浜市に避難した村田さんは、混乱の最中に東京電力から届いた分厚い書類の衝撃を語る。ADR(原子力損害賠償紛争解決センター)で東電が一方的に決めた賠償基準だった。買物レシートの提出を求め、チェックし、「下着は避難と関係ない」など加害者が屈辱的な仕打ちを重ねる。「このまま黙り込めば、被害者は抑え込まれ、事故もなかったことにされる」と、裁判で闘う決意を固めた動機をふり返った。

 定年退職後、故郷に帰り、荒れ果てていた果樹園がようやく豊かな実りを結ぶようになった8年目の原発事故。今も12万ベクレル/u、放射線管理区域の3倍の土壌汚染だ。故郷を奪われ、コミュニティを破壊された。とても戻れる状況ではない。放射能安全神話をふりまき、居丈高な国・東電。裁判は来年2月20日に判決を迎える。勝利をかちとらなければ、福島と同じことがまた起きる。

 61家族175人の原告は(1)国と東電の責任、(2)最低限立ち直れる賠償額、(3)放射能汚染による健康被害リスク―を認める判決をめざす。根本は、放射能被害の認定だ。原告団は、毎週木曜16〜17時に横浜駅西口のタカシマヤ前で宣伝行動を実施している。「できることは何でもやる」と村田さんは力を込めた。

避難者を大切にする市政へ

 横浜市議選にチャレンジする「ともにつくる会・かながわ」共同代表の青島まさはるさんは、避難者を大切にする市政を求め、原告団支援に取り組んできた。

 この日は、立憲民主党参院議員・真山勇一さんと秘書の爲谷(ためや)義隆さんが連帯あいさつに駆けつけた。教員だった青島さんの教え子の母子やツイッター仲間らに加え、スーパー「ライフ」前辻立ちでの「安倍9条改憲反対」の訴えが心に響いたという女性も「戦争する国を子どもたちに残してしまった。その贖罪(しょくざい)の思いでできることをしたい」と参加した。

 ともにつくる会・かながわは10月7日(日)14時から鶴見公会堂1・2号会議室で「第6回くらしに憲法を!タウンミーティング」を開く。テーマは「教育の無償化はまちづくりのカギ」。講師は神戸大学大学院教授・渡部昭男さん。



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