2018年10月12日 1546号

【朝鮮高校無償化裁判 大阪高裁 逆転不当判決/高校生、親、支援者 怒り爆発/歴史逆行許さず 最高裁で勝つ】

 朝鮮高校無償化裁判控訴審で大阪高裁が9月27日、朝鮮高校の除外を不当とした1審判決を取り消す逆転不当判決。裁判所前では、300人を超える高校生、親、支援者らの怒りが爆発した。

 高校等授業料無償化は、2010年に民主党政権下で導入されたが、安倍政権は2013年2月、朝鮮学校を無償化の対象とする文部科学省令の規定を削除した。以降、受給資格を満たしているにもかかわらず、朝鮮学校の生徒だけが、高校授業料無償化の対象から外されてきた。

 これを不当とする朝鮮学校側の訴えに、2017年7月大阪地裁判決は「(除外は)教育の機会均等とは無関係な政治的判断に基づくもので、違法・無効」と、無償化を命じる画期的判断を出していた。ところが、控訴審判決は「学校は朝鮮総連から不当な支配を受けている疑いがある」と決めつけるのみで、1審判決を取り消した。朝鮮敵視ありきの差別判決だ。

 同日夜、大阪市内で判決報告集会が開かれた。大阪朝鮮学園は「公的助成からの排除は、民族教育の権利を否定する不当な差別であるばかりか、国家による『いじめ』そのもの」と声明を発し、大阪朝鮮高級学校生徒も「必ず訪れる勝利を信じともに闘い抜こう」とアピール。同じく裁判を闘う東京・愛知・広島・福岡の連帯発言で怒りを共有した。

 韓国から駆けつけた「<ウリハッキョ(私たちの学校)>と子どもたちを守る市民の会」メンバーは「南、北、海外のすべての民族が力を合わせ、あきらめず、きっと勝とう」。朝鮮高校生への奨学基金を創設している元「日本軍慰安婦」キム・ボクトンさんらハルモニも支援金を贈った。

 最後に、丹羽雅雄弁護団長が「判決は歴史への侮辱。上告し最高裁で絶対ひっくり返す」。約600人の参加者全員がシュプレヒコール。最高裁での再逆転勝訴へ心を一つに、と決意を固めた。



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