2018年10月12日 1546号

【東電刑事裁判 10・16から被告人質問始まる/「無罪」主張封じる傍聴 署名拡大を】

 福島原発刑事訴訟支援団と福島原発告訴団は9月2日郡山市で、30日都内で「予見できた!回避できた!東電刑事裁判報告会」を開いた。

 東京の報告会であいさつした佐藤和良・支援団団長は、業務上過失致死傷罪に問われている東京電力旧経営陣3人の被告人質問が「10月16、17、19、30、31日の5日間、行われる(傍聴抽選−午前9時)」と明らかにし、「無罪の主張は一つ一つ崩されてきている。津波対策をすると常務会で了承したのに、被告らの判断で先送りした。そこにすべての原因がある」と強調。「厳正な判決を求める署名」2万5707筆を東京地裁に提出済みだが、「まだまだ足りない。署名を広げ、有罪をかちとるまで手をつないで進もう」と呼びかけた。

 弁護団からの報告は大河陽子弁護士。公判の経過をたどりつつ、「予見可能性」「結果回避可能性」の2つの主要争点に即して「国の地震調査研究推進本部の長期評価に基づく津波対策は必要であり、東電幹部がその対策の実施を決断していれば事故は防ぐことができた」と断じた。

 直近の公判(第26・27回=9月18・19日)では、福島第一原発近くにあった病院の看護師や介護施設のケアマネージャーが出廷し、「バスを開けた瞬間、すごい異臭。座ったまま蒼白で亡くなっている患者さんもいた」「避難させれば助かると思っていたので、ショック。事故がなければ死なせることはなかった」と過酷な体験を証言。大河弁護士は「無罪を主張している被告人らはどう聞いただろうか。裁判官には響いただろうし、被告人にも響いていてほしいと思う」と語った。

 被告人にウソを言わせず、「経営を優先し、安全をなおざりにしました」と白状させる強力な傍聴体制を築こう。

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