2018年11月02日 1549号

【みるよむ(500) 2018年10月20日配信 イラク平和テレビ局in Japan イラクの電力労働者は常勤雇用を要求する】

 イラクでは今、低賃金・無権利状態の下、電力省で働いてきた労働者が常勤雇用を要求して立ち上がっている。2018年8月、サナテレビは抗議行動を展開する労働者たちに直接インタビューを行った。

 首都バグダッドのタハリール広場。ここに大勢の電力労働者が集まり、デモを行っている。デモ参加者は、雇用や社会保障など切実な願いの実現を求める横断幕を掲げている。

 ある日給の労働者は、電力省に対して常勤雇用を要求している。この労働者たちは「勤務は13年間を超えている」という。にもかかわらず、いまだに日雇い労働者の地位に据え置かれている。「われわれを常勤雇用に転換しろ」と政府に要求をぶつけている。

 また、「年金社会法を適用しろ」とも要求している。13年も常勤同様の労働を続けているのに、健康保険などの社会保険さえ適用されていない。加えて「6か月前から、労働者は賃金を受け取っていません」と訴えている。長期にわたって賃金未払い状態なのだ。

 厳しい労働条件の下で働いてきた電力労働者は「危険にさらされ、死の危機にあいました」と語る。労働者の怒りが画面から伝わってくる。

 電力労働者は「われわれの問題を即時解決しろ。さもなければ公然と座り込みストをやって、発電所の仕事を止めるぞ。そうすれば電力供給は完全にマヒするぞ」と声を上げる。デモ参加者は「労働者が職場から引き上げれば、イラクの電力は5分と持ちません」と断言する。闘いに立ち上がった電力労働者たちの自信がよく表れた言葉だ。

 イラク政府は、ほとんどの労働者を日給や契約雇用の非正規労働者とし、年金や社会保険がない無権利状態においてきた。賃金未払いもしょっちゅうだ。この状況に電力労働者は闘いに立ち上がったのだ。日本からも労働者の権利獲得の闘いに連帯したい。

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 本欄「みる…よむ…サナテレビ」は第500回を迎えました。イラクでは、イスラム政治勢力とその政府が市民・労働者の生活を破壊し暴力支配を続ける一方、社会を変えようとする闘いが繰り広げられています。イラク平和テレビ局in Japanは、今後もイラクをはじめとして沖縄や韓国の平和と人権を求める闘いの映像を毎週配信していきます。配信番組をぜひご視聴くださるようお願いします。

(イラク平和テレビ局in Japan代表・森文洋)



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