2018年11月02日 1549号

【東海第2原発運転延長STOP! 首都圏大集会に730人 「子孫の将来を奪わせない」】

 首都圏から約100`と最も近い茨城県東海村・東海第2原発。日本初の100万kW級原発で老朽化が進み11月27日で40年を迎えるが、廃炉ではなく、さらに20年運転延長しようとしている。

 原子力規制委員会は10月18日、総延長約1400`のケーブルの4割交換など1800億円の工事費をかける日本原子力発電の工事計画を認可した。資金調達は、売電先となる東京電力・東北電力から。東電は福島原発事故の損害賠償打ち切り方針の一方で、再稼働には資金投入する。40年原発の運転延長の事実がつくられれば全国に広がり、事故リスクは一気に増す。

 この危険極まりない運転延長・再稼働に反対し、10月20日都内で「東海第2原発運転延長STOP!首都圏大集会」(とめよう!東海第2原発首都圏連絡会主催)が開かれ730人が集った。

 原発ゼロ自然エネルギー推進連盟(原自連)会長の吉原毅さんは、数字を挙げて原発の危険性、非経済性を訴える。

 「『安全な技術が開発されるだろう』とか『東海はダメだが島根県ならいい』と見る周囲に働きかけることが大切。原発被害は、右も左も、保守も革新もないのだから」。地震問題を取り上げ、「福島では津波が来る前に放射能が漏れていた。配管のパイプが地震で壊れたからだ。大手ハウスメーカーは、4000ガルの揺れでも壊れないと宣伝する。原子炉のコンクリートの壁は600ガルで壊れる」。

 九州電力は10月に入って、電気が余り過ぎたからと太陽光発電の停止を指示した。原発を止めるのではなく再生可能エネルギーを止める。時代への逆行だ。「原発優先の理由にkW当たり10円の低コストを上げるが、すでに破綻したうそだ。関門海峡の送電線は550万kWの3分の1しか使用されていないので、余った電気を九州から本州に送って買い取ってもらえばいい。農地にソーラーパネルを入れ、3分の1を発電に、3分の2を生産に使えば、農家の収入は10倍以上に増える。経済的にも効果がある」と吉原さん。

市町村も住民も反対

 東海村前村長の村上達也さんは「2012年、田中俊一(初代原子力規制委員長)は『電気ケーブルの交換は至難の業だ』と長期使用の困難性を示唆。日立製作所の専門家もケーブルは40年と持たないと言っていた。福島原発事故でさすがに原発はもうあきらめたのだろうと思っていたが、自民党政権が復活して急速に変わった。原子力発祥の地であり日立のお膝元の東海は消せない、との意志が強く働いている」と批判する。

 運転延長・再稼働に地元の反対の声は強い。茨城県内44市町村のうち、29市町村が反対の意見書を採択した。村上さんは「県民の76%が再稼働に反対、水戸市長らも反対している。茨城の農民の大部分も、子孫の将来を奪ってはならない、との立場だ。悲観はしていない」と語った。首都圏の闘いが問われている。

ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS