2018年11月23日 1552号

【「東リの偽装請負を告発し直接雇用を求めるL.I.A労組を勝たせる会」結成 非正規の言葉なくしたい 直接雇用へ最先端の闘い】

 11月3日大阪市内で、「東リの偽装請負を告発し直接雇用を求めるL.I.A労組を勝たせる会」(略称:東リ偽装請負闘争を勝たせる会)の結成総会が開かれた。東証1部上場の住宅関連メーカー東リ株式会社(兵庫県伊丹市)の不当解雇に対する裁判や労働委員会もいよいよ終盤を迎え、会社創業100周年となる来年を東リ争議勝利の年にしようと開かれたものだ。

 弁護団長の村田浩治弁護士は、東リを相手に直接雇用・地位確認を求める裁判の意義を、歴史から語った。2009年パナソニックPDP事件が全国的に盛り上がったが、違法派遣状態で働かせていても派遣先企業との雇用関係が最高裁で認められない残念な結果に終わった。その後国会で派遣法改正が議論になり民主党政権下でやっと盛り込まれたのが、今回の派遣法40条の6「労働契約申し込みみなし」制度(注)。その適用が認められるかどうかの初めての裁判であり、ここで適用が認められれば、違法派遣・偽装請負状態で働いている全国の多くの労働者に直接雇用の道を開く。まさに最先端の闘い。「パナソニックPDP判決から10年となる来年。ぜひ勝利判決を」と力説した。

 その後、会の規約や予算案を採択し、役員を選出。共同代表に選出されたおおさかユニオンネットワークの垣沼陽輔代表は、今警察権力による大弾圧を受けている全日建連帯労組近畿地方本部委員長でもある。「おおさかユニオンネットは、中小含め30数労組のネットワーク。一緒になって勝利のために頑張りたい」と決意表明。同じく共同代表に選出されたコミュニティユニオン関西ネットワーク大橋直人共同代表も「この闘いに勝たないと法律(労働契約申込みみなし制度)そのものが死文化してしまう。全面的に協力し勝つまで闘う」と決意を述べた。

怒りは消えない

 当該労働組合L.I.A労組の5人全員が決意を語った。

 藤井啓志書記長は「この裁判を通じて、全国の非正規労働者がどんなひどい目にあっているか、私たちがどんなひどい目にあっているか全国の方に知ってもらい、非正規という言葉がなくなるようにしたい」。中西誠組合員は「私は、東リにものすごい後悔をさせるくらい謝ってほしい」と静かに語った。その言葉の背景には、正社員の半分という低賃金で3交代勤務や高温過重労働をさせられてきた非正規労働者の怒りがある。最長18年間も偽装請負状態で働かされてきた。違法状態を解消し法律に則って直接雇用を求めたところ、社外に放りだされた。その怒りは消えない。何としても勝つ。決意を込め、藤澤泰弘委員長の団結がんばろうで締めくくった。

(なかまユニオン・井手窪啓一執行委員長)

2019年勝利へ会に加入を

 結成総会は文化の日。各地で色々な催しがあり多忙だったと思うが、予想を上回る方々に参加していただき、心より御礼を申し上げます。

 「勝たせる会」結成の理由は、2019年がL.I.A労組の闘いにとって重要な年になることを踏まえ、より力強い支援体制を作ろうというものである。L.I.A労組の組合員は生活のために派遣労働やアルバイトを行っている。争議に参加できる機会も減り、また金銭的にも争議を継続できるだけの余裕がなくなって来た。来年を有利に闘うにはL.I.A労組単体では人的、財政的にも力不足であると判断し、「勝たせる会」を立ち上げることになった。

 大橋共同代表が「この闘いは絶対に勝たなければ。勝たないと法律そのものが死文化」と強調したように、勝たなければ、企業が違法派遣や偽装請負など違法行為を全く恐れなくなることもありうる。

 「勝たせる会」初の活動となる11・4団結まつりでは、一人一人に声かけをしながら会への加入をお願いした。その結果、1日だけで33名の加入があり、総会時と合わせて加入は2団体、個人55名となった。しかし掲げる目標は高く、100団体、個人300名なのでさらに頑張りたい。

(勝たせる会・有田昌弘事務局長)

◆11月20日 午前8時30分〜天満橋・OMMビル(東リ大阪営業所)前抗議行動/午後12時30分〜18時30分 兵庫県労働委員会証人調べ(兵庫県庁3号館8階)

◆12月18日 午前10時15分〜
東リ偽装請負裁判第6回期日 神戸地裁204号法廷

(注)派遣法違反を逃れる目的で偽装請負させた派遣先企業は、労働者が承諾の通知を発すれば、その企業との直接雇用が成立するというもの



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