2018年12月14日 1555号

【韓国 ソソンリ サードは出ていけ 武器なき平和へ市民連帯 座り込みは872日に】

 映画「ソソンリ」の上映運動が始まっている。12月中旬には、THAAD(サード)(高高度防衛ミサイル)強行配備に反対する韓国星州(ソンジュ)ソソンリ現地から、カン・ヒョヌクさんが来日し連帯を訴える。連帯集会を準備するZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)兵庫・松谷卓人さんから、「平和を求める市民の日韓連帯をさらに広げていくとき」との呼びかけが寄せられた。

 朝鮮半島では南北対話が前進している。共同警備区域の非武装化、軍事境界線付近での実弾訓練や飛行の禁止、警戒監視所の撤去など合意内容が確実に実行されている。南北鉄道の連結へ共同調査も開始された。

 しかしその一方で、文在寅(ムンジェイン)政権は軍事費を増額し、自国海軍のイージス艦に弾道弾迎撃SM3ミサイルの導入も発表。また空軍では空中給油機を4機導入予定(今年11月に1機目が到着)で海外展開能力を高めている。以前から韓国軍はイラク占領軍や南スーダンPKOにも参加しており、グローバル資本のための海外派兵政策は文在寅政権に引き継がれている。

 サード配備が決定されてから首都ソウルでも集会やデモが何回も取り組まれ、ソソンリのおばあさんたちも参加している。昨年4月26日のサード強行配備に抗議して5月8日にはトランプ大統領への手紙と畑で採れたマクワウリを持って米大使館前行動を慣行。5月10日に文在寅政権が誕生するが、9月にサード追加配備が強行された。11月、武器セールスのために訪韓したトランプ米大統領は260団体以上からなる「NOトランプ共同行動」の大規模なデモに包囲された。

 今、文在寅政権を平和対話の流れに立たせているのは、このような平和を求める多くの市民の声である。今年9月、サード追加配備から1年に合わせてソウルでも平和行進が取り組まれた。10月26日の「(国防部長官の)サード正式配備発言」に抗議して、11月3日おばあさんたちは大統領府前で喪服を着て座り込んだ。大統領府は面談に応じざるを得なくなり、来年3〜4月に再び予定される工事については住民同意の下で実施することなどが確認された。

 ソソンリ現地の毎日の座り込みは12月1日で872日目。この日の「ソソンリ土曜集会」はプサンからも民芸団体が参加し、みんなで踊りながら決してあきらめない思いをつなぎあった。

 東アジア平和構築の流れの中で、米韓軍の好戦派、軍事産業、官僚たちがミサイル配備へと画策している。サードのレーダー情報は在日米軍や自衛隊のレーダー情報ともリンクするといわれいる。戦争勢力とのせめぎあいの今、平和を求める日韓市民の連帯をさらに深めることが展望につながる。サードを撤去させ、辺野古新基地や南西諸島ミサイル配備など戦争政策を許さないことが、東アジアの真の平和を実現する道である。



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