2018年12月21日 1556号

【議会を変える 大阪府枚方(ひらかた)市議 手塚たかひろ 図書館切り捨てに怒る市民とともに】

 枚方市内には、中央1館、7分館、10分室の図書館がある。図書館は、公民館(現在は生涯学習市民センター)とともに市民活動、市民自治の拠点として市内各地域にきめ細かく設置されていた。

 地域に根付いた枚方市の図書館行政が、「行革」の名のもとにこの数年大きく後退させられてきた。前市長時に図書館分館への指定管理者制度導入が提案された。現維新市長になり、今年度から6分館に指定管理者制度導入が強行された。さらに、地域により密着した小規模な図書館分室のうち1室は今年度から廃止された。同時に、3分室の廃止が提案されている。

 市は2度市民説明会を開催。1度目は70名、2度目は180名の地元住民が参加した。ほぼすべての発言が存続を求めるものだった。「人口減少社会を迎え、財政収入が減少する。1分室年間約1000万円の支出を続けることは財政悪化を招く。将来につけを残さないために分室を廃止する」との市の主張に、住民は根拠をもって反論した。「山梨県の人口当たりの図書館数は全国一。全国有数の健康長寿県だ。図書館に行くことが高齢者の健康に好影響を与えているとのNHKの放送もある。分室を残すことで健康寿命が伸び、医療費や介護費の節約ができ、1000万円以上の財政効果が期待できる」

 私のかかわる「香里(こうり)ケ丘図書館を見守る会」は、分室廃止の是非を問うシール投票を行った。結果は90%以上が存続を求めた。結果報告のチラシを地域に配布し、地域に分室問題を広げた。また、地元住民は「図書館東香里分室の存続を願う会」を立ち上げ、存続を求める署名行動を行っている。民意は存続だ。

 「3分室廃止は、市長、教育長方針。市民がどう言おうと変わらない」と市民を馬鹿にした市の見解。「前回は現市長の応援運動をしたが、分室を廃止する市長は応援しない」―このような声が市民説明会で公然と語られた。市民は怒っている。

 現在、予定総工費1400億円の市駅前再整備事業をはじめ総合文化芸術センター建設、京阪電車の連続立体交差化、清掃工場建設など多額の金が必要な大型公共事業が目白押しだ。指定管理制度導入などの民営化、駐車場有料化をはじめ市民負担増、市民税・国民健康保険料滞納者への差し押さえ強化などはその金を生み出すためだ。

 民間の儲けのための大型公共事業に予算を回し、市民生活を切り捨てる維新市政はごめんだ。そうした声が広がりつつある。来春の市議選では、維新市政を変える力を大きくする決意だ。
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