2018年12月21日 1556号

【武力なき平和を 東アジアに/ZENKOスピーキングツアー始まる/闘う市民の熱い命の連帯】

 韓国・慶尚北道(キョンサンブクト)星州(ソンジュ)郡ソソンリで米軍THAAD(サード)(高高度防衛ミサイル)配備に反対し闘う現地活動家を招いて「東アジアに平和を」と訴える「武力なき平和のためのスピーキングツアー」が、12月9日横浜・鶴見区で開かれた集会を皮切りに全国5都市で繰り広げられている。ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)が主催した。

 横浜集会は「月桃の花」歌舞団による『世直しサンバ』の力強い歌声でスタート。「平和に逆行する勢力にノーをつきつける。平和への道筋は私たち自身がつくる」との開会あいさつに続き、基調報告では「安倍政権が元徴用工裁判判決を攻撃するのは、日本の戦争責任を問う韓国市民の闘いが自らの海外侵略の狙いの妨げになるから。サード配備反対と沖縄・辺野古新基地建設反対はグローバル資本の戦争政策を許さない一体の闘いだ」と指摘された。

 映画『ソソンリ』(予告編)の上映後、「円仏教星州聖地守護非常対策委員会」のカン・ヒョヌクさんがマイクをとる。「退屈な映画ではなかったですか」と問い、「監督の目的は住民の平凡な日常を描くこと。その日常が外国の軍隊によって安保の名目のもとに踏みにじられた。韓米日の“戦争共同体”を許さない現場の声を届けたい」と語った。(3面に発言要旨)

 質問に答え、カンさんは「(南北統一への動きについて)韓国には“始まりは半分”ということわざがある。始まったばかりだが、たくさんのことが達成された」「(若い世代が立ち上がったきっかけは)セウォル号事件だ。船長が『脱出するな』と命令し、先生の言うことをよく聞く生徒は全員死んだ。命令を聞かない問題生徒は脱出に成功した。若者たちは『真実を知らなくては。行動しなければ』とさとった」と強調する。

 日本での連帯の取り組みがリレートークで紹介された。「映画『ソソンリ』に『権力は民衆を踏みにじる。沖縄・福島も同じだ』と感想が寄せられた」「ZENKO沖縄参加団として本部(もとぶ)町塩川港に行った。民間桟橋を使って土砂搬出。民意を無視した埋め立て工事強行は許せない」

 平和をつくる力は地域の中にある。東京・足立区議の土屋のりこさんは「無所属市民派議員の活動は市民の声を取り入れ、実現するクリエイティブな仕事。ソウル市の人権尊重・労働尊重の市政に学び、平和な街づくりにつなげたい」、土屋さんを支援する「平和と民主主義をともにつくる会・東京」メンバーは「足立区にある東京芸大が授業料10万円値上げを発表。12月区議会に学費無償化に向けた財政措置を求める意見書提出の陳情を出した」と報告。

 来春、会場地元の鶴見区から横浜市政変革に挑む青島まさはるさんは、「選挙権はないが、損得なく平和のために頑張る方は自分にとってうれしい存在」と話す在日コリアンの男性と肩を並べ、「一緒に暮らす外国人が隣人・友人として同じ基本的人権が保障される地域をつくりたい」と決意を述べた。

 カンさんに激励の寄せ書きや防寒具などが贈られ、「闘う市民同士の熱い命の連帯を。ともにヘイワ」の呼びかけで集会を締めくくった。

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