2018年12月28日 1557号

【1557号主張 新基地もサードもなくす 辺野古土砂投入を糾弾する】

土砂投入に屈しない

 12月14日、安倍政権は沖縄辺野古への土砂投入を強行した。県知事選で示された民意も、全国で土砂投入に反対し中止を求める市民の声も無視する暴挙を断固糾弾する。

 当初土砂搬出に使用する予定だった本部(もとぶ)港が使えなくなり、政府は無許可の民間桟橋から搬出、ダンプで護岸から土砂を投入した。民意のみならず法の支配も地方自治もすべて破壊するものだ。

 だが県民は屈しない。新基地はできないと確信するからだ。「強行すればするほど怒りはますます燃え上がることを認識すべき」と述べた玉城デニー知事。翌15日にはキャンプ・シュワブのゲート前を訪れ「我々が打つ手立ては必ずある。我々の闘いは止まらない。現場に行けないが、皆さんと気持ちはひとつだというメッセージをたくさんいただいている。本当の民主主義を求めるという私たちの正しい道のり、正しい思いは全国の皆さんも共感している」と闘う市民を励ました。

 土砂が投入された場所は埋め立て予定全体のわずか4%。軟弱地盤のある大浦湾側は工事のめどさえ立たない。沖縄県民にあきらめはない。

韓国、沖縄の連帯

 土砂投入直前の12月13〜14日、韓国のカン・ヒョヌクさんが辺野古現地を訪れた。韓国ソソンリでTHAADサード)(高高度防衛ミサイル)配備と闘う現地活動家だ。全交(平和と民主主義をめざす全国交歓会)の招請に応え「武力なき平和のためのスピーキングツアー」で来日した。

 沖縄集会を前に、辺野古ゲート前座り込みを目の当たりにしたカンさんが「日米韓軍事体制を壊さなければ本当の平和は来ない。韓国民衆が朴槿恵(パククネ)政権を倒したように、安倍政権を1日も早く倒そう」と訴えると、市民から大きな拍手が起きた。住民の平穏な日常生活を破壊する軍事体制と闘う日韓民衆の連帯が築かれつつある。

 権力は、メディアを動員して憎悪を煽り、闘う市民を分断して危機を乗り切ろうとする。カンさんが「三角同盟」と呼ぶ日米韓軍事体制を打破するには、闘う民衆が連帯し信頼を築くことが必要だ。

闘いで安倍包囲

 辺野古での土砂投入に「反対」は60%(12/15〜12/16朝日新聞世論調査)。まったく市民に支持されていない。安倍不支持も再び支持を上回った。

 注目すべきは国際世論の変化だ。米ワシントン・ポスト紙が土砂投入を報道。ニューヨーク・タイムズ紙も安倍政権を非難する玉城知事の記者会見を報じた。民主主義、地方自治、法律・条例まで平然と踏みにじる安倍政権に対し、米国の市民とメディアも批判を強めている。

 全交スピーキングツアーは沖縄と韓国の闘いがつながっていること、2つの闘いに連帯することの重要性を全国5会場で確認し成功した。辺野古土砂投入に対して、本土でも東京で首相官邸前座り込みや防衛省抗議、各地で抗議ファクスや集会・デモなどが取り組まれた。沖縄、東京、全国で、そして韓国で、戦争勢力に反撃する市民の闘いが続く。臨時国会で安倍自民党による改憲案提示を阻止したのはこの闘いの力だ。安倍改憲阻止、政権打倒への展望は大きく開かれている。

  (12月17日)
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