2018年12月28日 1557号

【福祉・介護を考える集い 大阪・枚方市 黙っていたら変わらない つながり声あげ地域を変える】

 12月9日、枚方(ひらかた)市内で「認知症の人と家族の会」大阪府支部代表の木寺喜義(きてらきよし)さんを迎え「福祉・介護を考える集い」を開催しました。40名を超える参加でした。

 基調では、国の介護保険制度の改悪で、要支援者の訪問介護や通所介護のサービスが保険給付からはずされて地域支援総合事業に変えられ、今後、要介護1・2の方にまで拡大されようとしていること、「自立支援・重度化防止」の美名でリハビリ強要や訪問介護の回数制限が行われることなど問題点を提起しました。

 木寺さんは、介護保険料が上がっていることに加え、サービスの利用料負担が一律1割から2、3割負担が導入され利用する人が減っていることを指摘。「明らかにサービス抑制を狙った制度改悪だ」と断言しました。

 小規模デイサービスの方からは「度重なる介護保険制度の改変で経営が圧迫され続け、要支援の方も支援が必要なのに、収益の高い要介護の方を優先的に受け入れざるをえない」と要支援の方がサービスから排除されている現実が報告されました。別の小規模デイサービスの方は「地域総合事業になり要支援の方の紹介が減り、利用者確保のために職員の負担増につながるサービスの検討をしている」と発言。「職員の善意でもっているが、もう限界」「介護の仕事が好きで始めたが、もう疲弊している」との感想も。

 父親の遠距離介護のために退職し今はパートで介護の仕事をしている方は「利用者の方への細やかな気づきの支援ができるデイサービスの職員や、認知症で怒りっぽい父親を笑顔にしてくれる介護ヘルパーさんなど、その仕事に高い専門性を感じる。それにみあった社会的評価と賃金が支払われるべきだ」と待遇改善の必要性を訴えました。

 一人一人の利用者に寄り添える小規模事業所の苦悩や介護職員の切実な思いが伝わり、国や市に強く働きかける必要性と責任を改めて感じました。

安心して暮らせる町に

 木寺さんは、村会議員をしていた時の体験から、自身も認知症の実母を介護するまでは介護のことはほとんど知らず、他の議員も同じで介護問題は軽視されてきたと振り返ります。「介護の現場を知っている議員を出すことは大事。市を変え、市として国に物を申していくことが必要」と強調しました。

 介護される人、介護する人、そして介護職員の、切実な声や思いを市政に反映させ、枚方で33年間福祉・介護現場で働いてきた私自身の経験を生かし、市政を変えていく思いがさらに強くなりました。

 集いには、小さい子どもを連れた若いお母さんたちの参加もあり、小学1年生の子どもを持つお母さんから枚方市の留守家庭児童会の土曜日開設を求める訴えもありました。

 エンディングは、枚方で子どもから高齢者まで∴タ心して暮らしていける町にしたいと、参加者全員で「友だち賛歌」を歌い閉会しました。

(福祉・介護を考える「すずらんの集い」代表 松田久子)

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