2019年01月04・11日 1558号

【なかまユニオン 結成20周年/非正規、青年労働者とユニオンをつなぎ/飛躍的拡大へ組織化めざす】

 1998年に結成されたなかまユニオンは20周年を迎えた。12月15日、大阪市内で記念講演会を行い約80人が参加。これまでの労働相談とともに非正規、青年層の拡大を柱に飛躍的に前進する決意を固めた。

 井手窪啓一委員長が冒頭あいさつ。「総評解散、連合結成の中で、新たな労働組合を地域に作ろうとなかまユニオンは結成された。労働相談で仲間を増やしてきたが、非正規労働者や未組織労働者の集団的組織化の目標に向け模索中だ。『解雇は殺人だ』『非正規職撤廃』と命をかけて闘う韓国労働者、韓国で青年政策を実現しつつある青年ユニオンに学び、なかまユニオンでも非正規労働と貧困の現状改善を若者自身が取り組むことを目指してビタミンU(若者支部)を結成した。非正規や青年の組織化を徹底的に強めたい」と決意を語った。

格差と貧困の中で

 記念講演の大内裕和・中京大学教授は「格差・貧困の今、労働運動に問われること」と題し、自らかかわる奨学金問題から日本における労働運動の課題を提起。「奨学金債務帳消し、ブラックバイト・ブラック企業の根絶、最低賃金時給1500円、家賃補助制度の導入を実現するために、若年層と労働組合を結びつける活動が求められている」と述べた。なかまユニオンが進むべき道を指し示すものとなった。

 韓国労働運動に詳しい脇田滋・元龍谷大学教授からは、非正規労働者の闘いに早くから関わり、韓国労働運動とも連帯してきたなかまユニオンにエールが送られた。

 レセプションでは、さまざまな運動団体や労働組合から連帯アピールを受け、組合員の手作り料理を楽しみながら、交流が行われた。

 佐藤和義・MDS(民主主義的社会主義運動)委員長は「安倍政権は、やりたい放題にしているように見えるが、最もやりたかった改憲案提示はできなかった。権力者は脅しとあきらめで『闘っても無駄』と思わせるが、沖縄県知事選で突破し、韓国でもろうそく革命で文在寅(ムンジェイン)大統領を誕生させた。安倍打倒に一緒にがんばる」。

 山川よしやす・ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)共同代表は「なかまユニオンは今の社会になくてはならない存在だ。政府が辺野古土砂投入のために使った琉球セメント所有の桟橋。この会社は、宇部興産の元関連会社で、連帯労組関西生コン支部の不当逮捕との闘いにもつながっている。労働運動と平和運動を結ぶ必要性が、今ほど高まっている時はない」。

韓国からも連帯

 韓国から駆けつけたチェ・オス希望連帯労組組織局長は「出発前まで、情報通信メーカーで非正規職撤廃を求めたハンガー・ストライキに関わっており、飛行機が出る直前に円満解決の連絡を得た。2016年に初めて来日した時も、ろうそく革命でパク・クネ大統領が倒れた連絡があった。希望連帯労組はちょうど10年目。非正規撤廃に向け、これからもなかまユニオンとともに闘いたい」。

 映像活動家オ・ソヨンさんも「韓国のすべての人を代表して招かれたと思っている。なかまユニオンが、継続的に韓国の労働運動と連帯してきた証しとして、今ではWEB検索でもヒットする。韓国には『消された火も、もう一度見直そう』という言葉がある。一つ一つの闘いをちゃんと守っていかないと、希望は残らない。資本がグローバルだからこそ、私たち労働者もグローバルに行動を」と訴えた。

 伴幸生・首都圏なかまユニオン委員長は「青年が奨学金の名の大きな負債を持って社会へ出てくることが異常。安倍首相の『給付制奨学金』のウソは許さない。国際自動車の闘いをはじめ、すべての課題に対して勝つためにともに闘う」と連帯を表明した。

 多くの期待と励ましの声をうけ、有田昌弘「東リの偽装請負を告発し直接雇用を求めるL.I.A労組を勝たせる会」事務局長の一本締めで決意あふれる集会は終了した。



 
ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS