2019年01月04・11日 1558号

【「月桃の花」歌舞団 ガマ人間あらわる 周りと語り地域を変える 若い力が活躍 ユース交流会も 滋賀・大津】

 12月2日、滋賀県で初めての「月桃の花」歌舞団『ガマ人間あらわる』公演が大津市伝統芸能会館・能楽ホールで行われた。フクシマ・オキナワとつながる希望を歌い上げる歌舞団と地域変革に取り組む市民の連携で成功した大津公演。報告を寄せてもらった。

私たちが社会の変化をつくり出す

 12月2日『ガマ人間あらわる』大津公演を開催しました。

 安倍政権による「命よりもカネ」の社会ではない「命の連帯」の場として成功させようと準備し、100人以上の参加で大成功しました。

 「平和と市民自治のまち大津をつくる会」の中川てつやさんが実行委員会を代表してあいさつ。「オキナワ、フクシマ、非正規労働者、その事実と思いを周りの方と語り合うことが大切。そこから、社会の変化を私たちがつくり出していける」と参加者に語りかけます。

 「直接言わなきゃ伝わらない、そのとおりだと思います」「最後の歌が最も印象に残りました」の感想のように最後に歌われた『ダイレクト』に多くの共感が寄せられています。福島と沖縄とつながり「命よりもカネ」の社会を変えていく希望と勇気を参加者一人ひとりが手にすることができた公演でした。

 会場周辺にチラシを入れ、その翌日から電話帳を使って電話をかけました。「チラシは見ましたよ。年なので参加できないけどわざわざお電話ありがとう」とうれしい反応も。大津市が水道の民営化をしようとしていることを話すと「国会でも民営化は問題になっていますね。民営化には反対です」。「つくる会」が月1回発行する通信を読んでもらえることになりました。

 公演を通じてできた周辺の市民の方とのつながりをさらに広げたいと考えています。

(ZENKO滋賀 岩崎晴彦)

若い人も「自分たちの問題」と考える

 今回の公演で、前回と大きく変わったと思うところは2点あります。

 一つ目は能の舞台だった点。今回使わしていただいたのは能楽堂です。その名の通り能専用の舞台で、左右非対称で奥行きがあり、いつも使っているホールとはかなり勝手が違い、正直戸惑ったところもありました。ですが、ガマ人間の退場シーンを能風にアレンジしたり、フィナーレで後ろの幕を落として鏡板(能舞台のうしろ正面の板。松の絵がある)を見えるようにしたりと、プレ公演でのお客様からのアドバイスをもとに能楽堂だからできたところもたくさんあり、いい公演になったと思います。

 二つ目はヒロインののぞみ役に高校2年生の谷上さんを迎えたことです。勉学・クラブ、さらにバイトまでこなして、その合間の平日の夜や休日に練習に励んでくれました。のぞみ役はとにかくセリフが多い。独白部分の長ゼリフや感情表現のしかたなど難しい部分もいっぱいあったと思いますが、見事に演じ切ってくれました。

 今回は谷上さんとその友人や先輩、プレ公演を見て女子高生役で劇に参加してくれた岩崎さんらを交え、いつもと比べぐっと平均年齢の若いユース交流会を開くことができました。

 ミュージカルで描かれている日本社会の問題はニュースなどで聞き流しているとどうしても他人事で済ましてしまうきらいが私にはあります。でも、福島の避難者や職場がブラック≠フ方にじかにお話をうかがうと、自分たちの問題として捉えなおさざるを得なくなります。今回、若い人たちがそうした機会を得たのはとてもよかったなあと思いました。

(「月桃の花」歌舞団 本田達人)





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