2019年02月08日 1562号

【主張/国会開会 窮地にたつ安倍/新基地 改憲もろとも引導を】

軍拡・改憲の施政方針

 通常国会が開会した。会期は6月26日までの150日間。直後に参院選(7月21日投開票予定)が控え、大幅な会期延長は出来ない。会期中も統一地方選挙や衆院補欠選挙があり、さらには新天皇即位、20カ国・地域(G20)首脳会議など、政治イベントが相次ぐ。これらを口実に安倍首相は国会論戦から逃げ回るだろうが、ボロボロの政権を厳しく追及しなければならない。

 沖縄新基地。施政方針演説で安倍は「沖縄に寄り添う」とは言わず、「辺野古移設を進める」と強弁した。同日、沖縄では新たに護岸工事が始まった。新らたな工区への土砂投入を加速するためだ。沖縄県民投票つぶしをはかる安倍は力づくでも投票結果・民意を押しつぶすつもりだ。

 安倍は今回はじめて韓国との2国間関係に言及しなかった。朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)との対立を煽り、支持率を回復させてたきものの、2回目の米朝首脳会談が開催見込みとなり、孤立を深める。それに代わり徴用工判決やレーダー照射をとりあげ韓国との対立をけしかけているのだ。そして「悲願の改憲」。「国会の憲法審査会において、各党の議論が深められることを期待する」と諦めない。

 軍拡・改憲路線を進める安倍政権打倒が平和への道だ。

統計不正隠ぺい明らか

 強硬姿勢の安倍も開会早々窮地を迎える。「消えた給付金」問題をはじめとする基幹統計の不正問題である。

 毎月勤労統計調査の不正問題で特別監察委員会は初会合からわずか5日後の1月22日、「組織的な隠蔽があったとは認められない」とする調査結果を発表した。しかし、報告書のたたき台を厚労省が作成する自作自演であったことが判明。延べ69人としていたヒアリング人数も実際は37人、幹部同席のお手盛り調査との批判にわずか3日で再調査に追い込まれた。

 問題は毎月勤労統計だけではなかった。総務省の調査で国の56の基幹統計のうち、4割にあたる22の統計で問題が発覚。共同通信の世論調査では政府統計を信用できないと答えた人は78・8%に達した。これは12年前の第1次安倍政権が「消えた年金問題」問題で参院選に惨敗した構図と酷似する。

地方選・参院選で打倒へ

 1月16日付の高知新聞が報じた県民世論調査の結果に注目したい。安倍内閣の支持率はわずか26.8%、不支持率は倍近くの49.7%だった。疲弊する地方では「安倍ノー」の声が強まっている。16年参院選では自民は32ある1人区で11敗し、特に東北6県は1勝5敗と惨敗した。

 立憲民主、国民民主、共産、自由、社民5党と1会派は28日、党首会談を国会内で開き、通常国会での連携強化や、「毎月勤労統計」問題の全容解明に向けて安倍政権を追及する方針を確認。参院選の1人区で候補一本化を図ることでも合意した。

 ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)の呼びかけで沖縄と連帯して全国で辺野古新基地の賛否を問う市民投票も取り組まれる。平和を求める市民の声を集め安倍の改憲・軍拡路線を阻止し、地方選・参院選で安倍政権退陣に追い込もう。決して改憲発議をさせてはならない。

  (1月29日)
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