2019年02月08日 1562号

【韓国映画『ソソンリ』と沖縄報告のつどい/今が会話の絶好のチャンス/日常の中から政治を語ろう】

 「韓国映画『ソソンリ』と沖縄報告のつどい」が1月26日、大阪市内で開かれた。平和と民主主義をともにつくる会・大阪(山川よしやす代表)が主催した。山川さんは、最近の韓国たたきの風潮にふれ、「分断ではなく、手をつないで平和をつくる必要性を映画と報告で感じてほしい」とつどいの狙いを語った。

 沖縄報告は、1月10日から4日間にわたる「日韓ユース参加団in沖縄」に参加した青年が行った。

 「辺野古基地建設反対の座り込みに参加し、警察のごぼう抜きのひどさを知りたかった」と参加の動機を語った外山(とやま)直哉さん。悪天候で工事は中止となったが、沖縄戦の実相を展示する平和祈念資料館で「撃たれた子どもの写真の前で涙が止まらなかった」。嘉手納基地では「それまで、かっこええなぁと小さな子どもと同じ感覚でいたが、爆音で目が覚める、生活ができないことなどを知り、なんでこんなの(基地)いるのと思い直した」と語った。

 また、韓国の青年との交流から大きな刺激を受けたとも。「どんな所を訪れても韓国の青年は質問をする。自分は、学校で勉強したことで満足してしまうのか、新しいことを受け入れにくい」と振り返る。そんな日韓の青年同士がいまもLINEで「今何してる?/仕事。/がんばって」と自動翻訳機能を使って、日常を交換しているという。

 映画と報告はどう伝わったか。感想交流が始まった。「(ソソンリの)おばちゃんたちがいい顔している。現地の人の覚悟は違う。韓国青年が中学生のとき狂牛病問題でデモに出た、自分のことだと。自分にとって沖縄のことも他人事だったのかな」とある青年が自省を込めて語った。

 「平和とは笑顔ですね」と話し始めたのは、14年前のJR福知山線事故で長女を殺された藤崎光子さん。「ずっと安全問題を考えてきたが、平和でないと実現できない。政治のことなど話さなかった近所の婦人がかつて消費税増税『わずか2%』と言った橋本首相(=当時)に『ダメね』と怒る。今度(の消費税増税)も絶好の会話のチャンス」と、自分のこととして取り組もうとする青年の気持ちに応えた。

 約20人の参加者は、日常のように闘うソソンリの女性たちの強さや日韓連帯の意義について、自らの生活に引き寄せて考えていた。

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