2019年02月15日 1563号

【市民連合へ動き出す大阪市民/維新追い落としに力結集】

 大阪の政治変革にむけ市民をつなぐ役割を自任する「野党統一候補の実現をめざす大阪アピール」が2月2日、統一地方選挙に向けて集いを持った。「カジノではなく大阪にふさわしいまちづくりを」と題して都市政策専門家の中山徹さん(奈良女子大教授)の講演を受けて、地域での選挙準備の状況を交流。70人近くの市民が参加した。

 中山さんは「カジノ、万博、都構想の3点セットは人口増加を背景にした20世紀型まちづくり。人口減・高齢化が確実な21世紀では間違い。保育園やデイサービス、医療施設などを日常生活圏の中で整備することが求められる時代に、広域行政・大規模開発を目的とする都構想など時代を逆行するもの。こんなことをすれば大阪が破綻する」と、松井一郎大阪知事(大阪維新の会代表)、吉村洋文大阪市長(同政務会長)が主導する政治を批判した。大阪での課題は安倍政権打倒とともに、「維新」政治をいかに終わらせるかにある。中山さんは「従来の保守対革新や政党の組み合わせではなく、地域で市民の共同を作り出すことが変革の道」と力説した。

 集いでは、「2019年大阪府議会議員選挙における野党の戦い方と政策に関する要望書」が示された。「憲法、地方自治法をいかす大阪府政にすること」など9項目からなる要望書に各地域の課題を加えた政策を示し、合意できた候補者を市民主導で政治を変える「市民連合」として支援する動きを作ろうとの提案だ。特に、大阪府内19の衆院選挙区のうち、大阪市を含む6つの選挙区では「市民連合」は生まれていない現状がある。

 意見交換の中では、「選挙区とは別に、大阪市全体で市民連合をつくり、統一候補を集中的に支援してはどうか」「統一候補が実現すれば10議席は自公維新の議席を減らすことができる」などの発言があった。大阪府・市議会選挙は4月7日投開票の予定。「市民連合」結成に向けた意見交換を続けることを確認し、散会した。
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