2019年03月08日 1566号

【議会を変える 手塚たかひろ 筋違いの職員給与引き下げ】

 昨年12月議会に枚方(ひらかた)市は職員給与引き下げの条例改正案を提案した。大阪北部地震と台風21号による被害者支援、公共施設復旧などで約28億円の臨時出費となった。国や府の補助金は3億円。「市債発行や基金の取り崩しを少なくして将来につけを残さないため」が提案理由だ。2つある職員組合は不満を持ちながらも最終的に引き下げ提案を飲んで妥結した。

 私は、反対討論を行った。

 職員給与は、市も認めたように労働の対価で職員の生計を支えるものであり、財源問題を理由に引き下げるべきではない。震災発生後、職員は市民生活の復興、災害支援に昼夜を分かたず奮闘し給与以上の働きをした。特別報酬を支給されることがあっても引き下げられるいわれはない。筋違いだ。労使の信頼関係を損ない職員の働く意欲をそぐ。市政にとってマイナスだ。

 大きな被害にも関わらず、補助金3億円は少なすぎる。国や府に補助金増額や制度改革を強く訴えるのが市長の仕事。その姿が見えない。

 想定外の支出のために財政調整基金を積み立てている。「市債の発行や基金の取り崩しを抑制する」ためとは理由にならない。ためるばかりが能ではない。今使わずにいつ使うのか。生きた基金の使い方が必要だ。枚方市の財政は悪くない。1億1千万円の財源が捻出できないわけはない。

 枚方よりも被害の大きかった近隣の高槻市や茨木市は、職員給与には手を付けていない。本音は、計画している大型公共事業の財源捻出のためであり、夏の市長選に向けたパフォーマンスだ。

 結果は、私と古参議員の2人が反対。共産党議員団が賛成したのには驚いた。

 現在、市役所や市民会館がある枚方市駅前に、56階建ての民間タワーマンションを建設し、市役所は今より遠方に移転させる民間主導の計画が検討されている。大型公共事業で民間大企業をもうけさせ市民サービスを低下させる。維新政治の本質を見た。

 総額1400億円、うち市の負担は218億円。現在も財源の目途はたっていない。

 さらなる行政改革と事業の見直しで財源を生み出すという。職員削減・賃金カット、図書館分室廃止、駐車場の有料化、市営農園や朝鮮学校への補助金カット。少数者への支援切り捨て、公共施設の民営化がどんどん進められている。その挙句、将来の負担増が待っている。市役所の建て直しは便利な現在地周辺で。タワーマンションは必要ない。白紙撤回も含めた抜本的見直しを私たちは要求している。

 この春、維新市政NOの声を議会に大きく届けたい。
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