2019年03月15日 1567号

【議会を変える市民と変える/東京都日野市議・有賀精一/公正・公平な区画整理を】

 日野市は現在、5つの区画整理事業を行っています。

 町づくりにとって区画整理事業は道路や公園を整備したり、土地の区画を整えて宅地利用の増進を図るなどとても大事な取り組みです。

 読者の皆さんの自治体の中にも区画整理事業が現在行われているところがあるのではないでしょうか。いま自分の住んでいるところが区画整理の真っ最中という方もいらっしゃるかもしれませんね。

 区画整理は有用なことであるけれど、事業の当該となっている地権者の方たちにとっては利害が絡む問題でもあります。

 地権者からその権利に応じて少しずつ土地を提供してもらうことや区画整理した土地をどう換地するのかなど、公平・公正かつ透明性が高い事業の運営が必要となります。

 私も議員活動を始めてから区画整理にまつわるいろんな話を聞いてきました。地元の有力者や土地持ちに有利なように区画整理事業が進められていて、多くの地権者が不満を持っているとか、区画整理の審議会の運営に問題がある等々…。

 さて、2019年日野市議会第1回定例会が2月26日から始まり、2018年度補正予算について、その承認を求める提案がありました。

 区画整理事業の1つである豊田南地区の区画整理事業業務委託料だけが異様に高かったため、質問しました。部長答弁を契機に、ある問題が明らかになってきました。

 どういうことかと言うと、ある地権者の土地からごみや大きな石などが出てきて、土地を整地するのにお金がかかったということです。その費用を補正予算で出してほしいというのが市の言い分です。

 森友学園の問題ではないですが、ごみが埋められていた土地の価値は当然のことながら大きく下がります。けれどこの場合、土地を所有していた地権者にその責任があります。市からの調査に対して「記憶にない」と回答しているそうですが、周りの住民からは、地権者の親が土建業をしており、ごみや石を埋めた責任があると声が上がっているのです。

 議会後に部長と課長が説明に来ました。「記憶にない」で終わらせるつもりはないと弁明していましたが、何と整地に1000万円かかったとのことです。この地権者は昨年まで市議会議員を務めていた人物です。

 公正・公平な区画整理事業であるためには、1000万円は絶対にこの人物に払ってもらわねばなりません。こうしたチェックは議会の責任でもあります。
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