2019年03月22日 1568号

【8年目の3・11 原発再稼働、避難者切り捨てを許さない】

 8年目の3・11を前に3月10日、各地で「原発再稼働、避難者切り捨てを許さない」と行動が繰り広げられた。

首都圏各地で行動 オンボロ東海第二は廃炉だ

 国会正門前では、首都圏反原発連合の呼びかけで「0310原発ゼロ☆国会前大集会」が開かれた。

 主催者のミサオ・レッドウルフさんは「原発推進は行き詰っているのに安倍政権は改めようとしない。世界の流れからも孤立している。原発ゼロ基本法案を審議させ、圧力をかけていきたい」。いわき市から参加した「放射能市民測定所たらちね」のクリニック院長・藤田操さんは「尿中セシウムの摂取量は東京でも事故前の2〜4倍、福島では5〜20倍。学校給食の食材は4割が福島産という。甲状腺検査の縮小なんて全く理解できない」と訴えた。

 神田から秋葉原に移転した日本原電本店前では、「とめよう!東海第二原発首都圏連絡会」の抗議行動。

 柳田真さんが「日本原電の社長が再稼働を表明し、工事に入る。危険性は2ランクアップした。安全対策費1900億円を東電が負担するというが、4月に追い出される避難者の住宅費に回すべきだ」と主催者あいさつ。現地茨城県からの参加者は「原子力規制委員会の説明会で『放射能が漏れたら』の質問に『水鉄砲で叩き落とすから大丈夫』と回答した」「防潮堤の地盤に鋼管を埋め込みコンクリートを張るというが、ヘドロを含む黒い津波から安全を守れるのか」「日本原電への3000億円融資の債務保証を東電や東北電力に一筆書かせる、いい加減なやり方。審査は最初からやり直せ」と次々に怒りをぶつけた。

 横浜港わきの公園では、6回目となる「東日本大震災かながわ追悼の夕べ」が開かれた。「避難の権利」を求める全国避難者の会・かながわなどでつくる実行委員会の主催。800本のキャンドルを灯(とも)し、チェルノブイリ事故被害者カテリーナさんの演奏に合わせて犠牲者の冥福を祈った。

 福島原発かながわ訴訟を支援する会共同代表の久保新一さんが「この1年、住宅支援の打ち切り、関連死と悲しいこともあったが、沖縄県民投票とかながわ訴訟で勝利するうれしい出来事もあった」とあいさつ。

 南相馬市から避難した唯野久子さんは「8年たっても避難者は救済されることなくさまよい続けている」。かながわ訴訟原告団長の村田弘さんは「判決は国の責任を明確に認めたが、被ばくの評価、損害賠償額は納得できず、控訴した。東京の国家公務員宿舎に住む避難者70世帯に福島県はこの3月で出ろと圧力をかけている。東海第2原発の再稼働に東電が資金援助するなど、ばかげたことを許してはならない」と決意を述べた。



ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS