2019年03月22日 1568号

【若者が取り組んだ岩国基地フィールドワーク/沖縄とは雰囲気が違う巨大さに驚き ZENKO広島】

 3月10日、全交広島は岩国米軍基地フィールドワークを実施した。あいにくの雨ではあったが、前岩国市議で、長年岩国基地の軍拡に反対をしてこられた田村順玄(じゅんげん)さん(73)が案内人を務めてくださったお陰で、非常に充実したフィールドワークとなった。

 2018年3月、在日米軍の再編で神奈川県厚木基地から米空母ロナルド・レーガンの艦載機移駐が完了したことにより、岩国基地は沖縄県嘉手納基地を凌(しの)ぐ極東最大の基地へと変貌を遂げた。空母艦載機の移転に加え、F35ステルス機の配備、オスプレイの恒常的な飛来により基地機能が拡充され、まさに在日米軍の巨大「ハブ基地」と化した。それに伴い、近隣住民への爆音被害や事故の危険はこれまで以上に高まっている。同年12月には、岩国基地を発(た)った戦闘機が空中給油訓練中に墜落事故を起こしたばかりだ。

 今回のフィールドワークでは、政府が米軍関係者のために莫大な国費を費やして建設した超高級住宅地ゲート前やスポーツ施設をまわった。その都度、田村さんから岩国基地沖合移設工事や愛宕山住宅開発の話をお聞きした。

 参加者からは「沖縄とは違う雰囲気を感じた。こんなにも基地の拡大が進んでいて、事故や騒音など日常生活にも影響があるにもかかわらず、明らかに市民の反対が少ない」という声があった。

 それもそのはずである。「基地があっても住みやすいまち」というスローガンを掲げる市政は、政府が出す基地押し付けのための莫大な補助金を湯水のように使い、その恩恵を受ける市民は声を上げにくい状況にある。06年には、井原元市長が空母艦載機移駐の賛否を問う市民投票を行い反対の民意を示したが、政府の補助金凍結により辞任に追い込まれた経緯もある。

 現在、沖縄県の辺野古新基地建設に全国から目が向けられているが、その裏では岩国基地の大軍拡と巨大ハブ基地化が進められている。

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