2019年03月29日 1569号

【世界で、日本で、3・8国際女性デー】

大阪 国際基準でジェンダー差別なくそう

 国際女性デーの3月8日、全世界で女性の権利拡大、ジェンダー差別撤廃へ大規模な取り組みが行われました。

 スペインでは、「私たちが止まれば、世の中も止まる」と、ジェンダー平等、同一賃金、性暴力反対を掲げた平等のためのストライキに600万人が参加しました。ニューデリーやジャカルタで、性暴力と家庭暴力中断を求めるデモ行進が行われ、パキスタンでも、女児の早婚の風習に反対する声が高まっています。

 ソウルでは、女性団体や労働組合がよびかけ「3時ストップ早期退勤デモ」。韓国の平均賃金は男性100に対し女性が64で、女性たちは「3時以降は無給労働だ。私たちは拒否する」と退社し、賃金差別解消や職場でのセクハラ一掃を要求しています。女性団体は「性の平等が民主主義の完成だ #Me Too 私たちが社会を変える」と千人が行動。セクハラ被害を実名で告発した検事のソ・ジヒョンさんは「性の平等が実現し、子どもたちが性別でなく才能と努力で評価される社会に生きてほしい」とあいさつしました。

 #Me Too運動が確実に広がり、発展してきた今年の国際女性デーでした。

 私たちOPEN(平和と平等を拓く女たちの絆)もこの日、世界の女性たちに連帯し、大阪でつどいを開催。

 強調されたのは、セクハラ、ジェンダー差別のない社会をつくるために国際的な水準をめざそうということです。日本のジェンダーギャップは世界110位で格差は縮まっていません。「政治参画」の低さも問題です。国会議員の女性割合は158位という不名誉な実態。地方では、女性議員ゼロの市町村が339議会19%もあります。来る地方選、参院選で女性議員を増やそうとよびかけました。

 ヒューマンライツ大阪の研究員・朴君愛(パククネ)さんは、在日コリアンのシングルマザーとして「結婚や就労の危機」に遭遇し「生きづらさ」を感じてきた自らの体験を報告。国際的な場でマイノリティ女性の当事者たちが活躍している姿に触れ、女性のエンパワーメントの必要を感じてきました。女性差別撤廃条約をはじめ国際人権条約に盛り込まれた個人通報制度は人権を守る重要なツールであり、日本政府に早期の批准を求めなければならないと訴えました。

 国際的な視野にたって、たたかいを進める大切さを確認することができました。 

(OPEN 山本よし子)

東京 ハラスメント許さぬ 運動で変えられる

 東京でも3月9日、「ハラスメントをゆるさない女性デーの集い」が開催された。

 主催した首都圏なかまユニオンの伴幸生委員長が「ハラスメント関連の法律が改正されようとしている。労働組合として何ができるか学び、行動していこう」と基調報告した後、河村健夫弁護士が「ハラスメント〜社会と裁判の関わり」と題して講演した。

 一貫しているのは「ハラスメントは社会的な『構造』であって、運動によって変えることができる」ということ。例えば、セクハラが流行語大賞を受賞したのは30年前の1989年だが、今では許されない。声を挙げ、立ち上がったからだ。男女雇用機会均等法も社会的盛り上がりの中、改正された。

 今国会は、パワハラ防止関連法成立に向け動いている。しかし中身は、罰則規定なし、事業主の「措置義務」にとどまる流れだ。運動によって法を社会に近づける、ハラスメント定義も運動によって変えられる、と講演を結んだ。

 足立区議の土屋のりこさんより「女性区議が『マタハラ』されたことをきっかけに、超党派女性議員で何度も学習会をし『ハラスメント防止』の要望書を提出。党派は関係ない。すべての場で女性だからと軽視することは許されない」と力強い訴えがあった。

 大学でのアカハラ(アカデミック・ハラスメント)から生まれた「レッドカード」運動が紹介された。名刺の裏を赤地にし「STOP!ハラスメント」のロゴを印刷。ハラスメントを受けたとき、とっさに声を出せなくても、このレッドカードを示す。自身ハラスメントされ「すぐに言わないのがいけない」と言われた悔しさから「これなら!」と思って作成したとのこと。導入研修後にレッドカードを持つことでハラスメント防止の効力があるという。

 参加者から、「少しなら我慢しなきゃ」とハラスメントされても訴えない人が多い、「私はハラスメントを許さない」「私はハラスメント被害者を支えます」という意思表示は運動として取り組みやすい、などの声が出された。

 首都圏なかまユニオン女性部は定期的に集まり、ハラスメントを許さないアクションに取り組んでいきたい。ぜひ皆様もご参加ください。

(首都圏なかまユニオン 菅野幸枝)



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