2019年03月29日 1569号

【原発賠償京都訴訟 控訴審第2回期日 満杯の支援者背に国・東電に反論】

 3月13日大阪高裁で、原発賠償京都訴訟の控訴審第2回口頭弁論が行われ、80の傍聴席満杯の支援者が見守った。

 法廷では、原告側代理人の森田基彦弁護士が、「津波予見可能性はなかった」という国の主張に対し、6bの津波でも原発敷地全体が浸水するという津波浸水予測図、約9bの津波が試算された貞観津波の知見、福島沖でも巨大津波の可能性があるとした長期評価を示し、津波の予見は可能だったと反論。白土哲也弁護士は、東電の「避難指示区域と区域外では慰謝料が違って当然」「区域外避難者に対する平穏生活権の侵害はなかった」との主張に、区域外避難者が負ったストレスは区域内避難者のそれと遜色がないとした辻内琢也・早稲田大教授の調査などを示してその不当性を明らかにした。

 報告集会には約80人が参加。弁護団から国・東電の動きや今後の進行についての報告を受けたあと、原告11人がそれぞれお礼や思いを述べた。茨城県から避難している原告は「長らく住んでいた公務員宿舎が今月末で閉鎖される。避難者同士が顔を合わせる場が裁判期日しかなくなってしまうのかと、複雑な思いだ。これからも繋がりを大切にしていきたい」、栃木県から避難した原告は「途中で裁判をやめたいと弁護士の先生に言ったら、福島以外の人が声を上げることが戦力になると言われて踏みとどまった」。

 帰還した福島から参加した原告は「原発事故を風化させてはいけないという思いがある」とし、「明日は千葉に行く」と決意を語った。

 次回は6月13日14時30分開廷。

ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS