2019年04月05日 1570号
(実発行日 3月29日)

【1570号主張/辺野古 新たな土砂投入 糾弾/自治踏みつける安倍を許すな】

土砂投入に激しい憤り

 3月25日午後、沖縄辺野古新基地建設で新たな区域へ埋め立て土砂が投入された。民意を踏みにじるこの暴挙は民主主義に対する冒とくであり、断じて許されない。辺野古の浜では「土砂投入許さない海上大行動浜集会」が行われ、市民は怒りの声を上げた。米国出張中の玉城デニー沖縄県知事も「激しい憤りを覚える」と政府の姿勢を強く批判し、全国に向け「共に声をあげてほしい」と呼びかけた。

 「辺野古米軍基地建設のための埋立ての賛否を問う県民投票」から1か月。玉城知事は対話による解決を求めて3月1日、19日と2度にわたり安倍晋三首相と会談した。県民投票で示された「反対」の民意や1万人の県民大会を踏まえ、工事を中止し1か月程度の協議の場を設けるよう迫った。岩礁破砕差し止め訴訟の上告取り下げという譲歩のカードまで切った。しかし、安倍は応えず、翌20日には新たな区域への土砂投入を始めると県に通告。徹底して沖縄の声を押し潰そうとする。

 問答無用の政府の対応に沖縄県は3月22日、埋め立て承認撤回の効力を一時停止した国土交通相の決定は違法とし、決定取り消しを求めて福岡高裁那覇支部に提訴。再び司法の場で国と闘う。

追いつめられる安倍政権

 安倍政権は「普天間基地の一日も早い危険性除去のためには辺野古が唯一」と繰り返す。しかし、新基地を巡り様々な問題が噴出し、その論理は完全に破綻している。

 軟弱地盤の問題では、3月22日の参院予算委員会で水深90メートルの地点ではボーリング調査が行われてない事態が明らかになった。岩屋毅防衛相は周辺の調査結果を元に70メートルまでの地盤改良で安定性が確保できると強弁。また約7万7千本の砂杭についても環境影響評価のやり直しは不要との考えを示した。

 ところが、環境への影響はすでに出ている。国の天然記念物ジュゴンが1頭死骸で見つかった。これまで確認されている残る2頭も海上工事着手後に姿を見せていない。サンゴの移植も進んでいない。

 地盤改良工事の設計変更は県の承認が必要だ。工期も総事業費も計り知れない。さらに新基地周辺には2つの活断層が走る。安倍政権は追い詰められている。辺野古新基地建設は即刻断念すべきだ。

自民・維新を一掃しよう

 改憲勢力である維新は辺野古でも暗躍している。日本維新の会衆院議員下地幹郎の兄が社長を務める大米建設。今回新たに埋め立てを始めた区域で安藤・間、大豊建設とJV(共同企業体)を組み、約74億円の工事契約をしている。

 維新は南西諸島への自衛隊配備にもかかわる。3月26日には奄美大島、宮古島に新たな自衛隊駐屯地が開設され、石垣島の駐屯地の造成工事が開始されるなど南西諸島の軍事要塞化が進められている。自衛隊に対する理解を深めることなどを目的とした「沖縄県防衛協会」の顧問には下地幹郎と自民党元参院議員島尻安伊子らが名を連ねる。

 衆院沖縄3区補選(4月21日投開票)では軍事化を阻止するためオール沖縄の屋良朝博さんの勝利が必要である。戦争、改憲を進める自民、維新を地方選挙、参院選で一掃しよう。

  (3月26日)
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