2019年04月05日 1570号

【『ガマ人間あらわる』成田公演に160人/ミュージカルの持つ力すごい】

 「月桃の花」歌舞団が2月24日、千葉県成田市でおこなった『ガマ人間あらわる』公演は160名もの観客が来場した。公演成功のかげに何があったのか、お伝えしたい。

 エキストラの1人、Hさんは成田市在住。平飼い(鶏が自由に地面を動き回れるようにした飼い方)の養鶏と無農薬米づくりを営む。

 18歳まで島根県にいた。音楽といえば、こぶしのきいた歌謡曲、浪曲、盆踊り。知り合いに誘われ、去年9月の浦安公演を観に行ったのがきっかけで、一期一会のつもりで成田公演で沖縄の住民役として出演することになった。

 役作りは真剣だった。最後まで「自決派」として残る役で、幽霊ダンスと二役。「沖縄も、福島も、農業も棄民政策だ」というHさん。「わたしにとって東海第二原発再稼働反対の訴訟のため水戸の裁判所に行くこととミュージカルに出演することは一緒」。沖縄、原発、農業と食を守る―普段やっている活動の延長なのだ。

 チケットも1人で60枚近く売った。これまでも沖縄とか福島をテーマに映画会や集会を開いてきたが、それらに来ない人が観に来てくれたと喜ぶ。
 ミュージカルという言葉の持っているイメージはすごい。一番遠くでは東京・三鷹から観に来た人がいる。東海第二原発再稼働差し止め訴訟の原告で娘さんが石垣島に避難していることを今回初めて知った。茨城県から車を飛ばして来てくれた人は本人もコーラスをやっている。また、「ミュージカル」ということで面白がって、千葉県のほぼ中央にある長南町から2〜3時間かけて来てくれた人もいる。「歌舞団は、ミュージカルという素晴らしいものを作っている。稽古から今までずっと楽しい思い出になった」。Hさんは笑顔で振り返る。

 歌舞団の東日本での次の公演は茨城だ。東海第二原発の再稼働が重要なテーマになりそうだ。リクエストしたのは鹿嶋市在住の方で、「再稼働されそうな東海第二原発のある茨城県でやってほしい」と話す。西日本では8月11日、川内原発のある鹿児島県川内市で公演が開催される。東西の原発立地自治体での公演を通して原発を止め、命の尊さをアピールしたい。

(「月桃の花」歌舞団 竹内雄紀)

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