2019年04月05日 1570号

【朝鮮半島の和平実現は沖縄新基地、改憲の根拠を奪う3・24関西の集い】

 「とめよう!戦争への道、めざそう!アジアの平和」を掲げた関西の集いが3月24日、大阪市内であった。

 アジアの平和に大きな影響を与える朝鮮和平と沖縄新基地の問題にどう向き合うのか。韓国又石(ウソク)大学硯座(せきざ)教授徐勝(ソスン)さんと「辺野古」県民投票の会代表の元山仁士郎さんが語った。

 在日2世の徐さんはソウル大学校大学院留学中、朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)のスパイ容疑で逮捕され19年獄中にあった。現在、韓国で人権侵害や和解などを研究している。

 徐さんは、昨年4月27日の南北両首脳による板門店(パンムンジョム)宣言を評価。特に強調されたのが「わが民族の運命はわれわれ自ら決定するという民族自主の原則を確認」の個所だ。朝鮮半島の和平は民族自決権獲得の問題だと言う。

 朝鮮に対しては、国連安保理決議に基づく他、米国や韓国、日本政府が独自に制裁を加えている。例えば、開城(ケソン)工業団地閉鎖と金剛山(クムガンサン)観光停止。韓国政府の独自制裁なので韓国政府が解除できる。だが、米トランプ政権の合意を抜きにはできない。「問われているのは韓国の主権だ」と指摘する。

 徐さんは、「アヘン戦争以来の民族解放の闘いは抑圧に対抗する主権、自己決定権獲得の闘いだった。沖縄での闘いも人権の根底である抵抗権によるもので、自らのアイデンティティ、自己決定権を取り戻すための闘いだ」とし、朝鮮半島と沖縄をつなぐ「主権連帯、抑圧されている者の平和連帯」の必要性を強調した。

 元山さんは、県民投票の会結成から投票実現の過程で何を考えたのかを率直に語った。沖縄戦体験者の高齢化が進む中で世代間の対話が必要だと感じたことや離島と沖縄島本島との対話から沖縄全体の課題を知ることを県民投票の目的にしたという。

 つらかったのは当初、辺野古の現場から人を削ぐなどと批判を受けたこと。だが、署名行動には、気持ちはあってもゲート前に行けない人びとが動いた。「政党、労働組合主体の運動から脱却し、沖縄政治史初の市民・若者主導の運動が実現した」と評価する。

 「県民投票結果に対する46都道府県知事の態度」(3月18日沖縄タイムス)で、「尊重すべき」と回答したのは岩手、静岡、「工事を断念すべき」は岩手のみ。元山さんは「問われているのは『基地』ではなく、『地方自治』、『民意』が踏みにじられていること」と強調した。都構想2度目の住民投票をうたう大阪府知事松井一郎は無回答だった。今後、すべての自治体に陳情書を送る。「みなさんの住む市町村に請願・意見書採択を働きかけてほしい」と結んだ。

 米朝合意が保留され唯一喜んだ安倍政権、住民投票で否決された都構想にしがみつく維新。ともに一掃することを誓い、参加者はデモ行進に出発した。

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