2019年05月17日 1575号

【1575号主張 維新らと組み憲法改悪に固執 安倍改憲阻止し東アジア平和へ】

2020年改憲明言する安倍

 安倍首相は5月3日、日本会議が実質主催する「公開憲法フォーラム」に送ったビデオメッセージで、「憲法にしっかりと『自衛隊』と明記し、違憲論争に終止符を打つ。(9条改憲へ)先頭に立って責任を果たしていく決意だ」と述べた。さらに「2年前のビデオメッセージで、私は『2020年を新しい憲法が施行される年にしたい』と申し上げたが、今もその気持ちに変わりはない」と強調した。

 安倍首相による改憲路線は、沖縄知事選、辺野古県民投票の敗北を契機にとん挫していた。前国会で目指した国会への自民改憲案提示すらできなかった。朝日新聞世論調査(5/3発表)での「9条改憲賛成28%・反対64%、改憲機運高まっている22%・高まっていない72%」に示されるように、多くの市民は改憲を望んでいない。このような世論を受けて公明党も北側一雄憲法調査会長が3日、「多くの国民は自衛隊を憲法違反だと思ってはいない。違憲論があるから自衛隊明記というのは理解できない」と、改憲に消極的である。自民党内でも「憲法で野党と対立が激化するのは参院選にマイナスだ」との意見がある。

 しかし、日本会議に近い議員の一人は「安倍首相の改憲は本気だ。保守をまとめるために言っているだけだと言う人がいるが、本当にそうだったら引きずり下ろされる」と語る。安倍の改憲策動は執拗(しつよう)だ。海外権益を確保したいグローバル資本にとって、改憲は必要不可欠なのだ。

維新・橋下の改憲支援

 この時、安倍に積極支援を表明したのが日本維新の会前代表、橋下徹である。橋下は産経新聞5月4日付のインタビューで、維新に対し「安倍首相が実現したいと強く願っている憲法改正に協力するための行動を起こすべきだ」と訴えた。加えて「改憲を阻んでいるのは公明党と、選挙で同党の支援を受ける自民党の国会議員」と強調。「(松井一郎維新代表が)ダブル選の勢いに乗じ、公明をつぶしにいくことを考えている」との認識を示した。衆院の大阪、兵庫6選挙区で維新が対立候補を立て公明党を落とすことまで公然と表明したのだ。

 公明党は、住民投票で大阪都構想が否決されたにもかかわらず、維新の恫喝の前に議論を蒸し返すことに賛成した過去がある。今回も維新の恫喝に屈して改憲論議に応じる可能性が強い。現に公明党の遠山清彦衆院議員は公開憲法フォーラムに出席し、「公明党の基本的姿勢は加憲。この立場から積極的に憲法議論に参加していく」と応じている。

 国民民主党はもとから改憲に積極的だ。維新らと組んだ安倍政権の改憲強行路線を阻止しなければならない。

沖縄のように闘う

 沖縄がオール沖縄で勝利し続けているように、あきらめず、粘り強く闘うならば勝利する。対決点を明確にした市民と野党の広範な共闘の運動が原動力だ。

 東アジアの平和に敵対する安倍改憲戦争路線。これに真っ向から立ちはだかる沖縄新基地阻止闘争や韓国民衆の闘いに連帯し、辺野古反対署名、9条改憲NO!3000万人署名を広げ、闘いを強めよう。市民の運動の力で衆参同時選挙に備え強固な野党共闘を実現しよう。

   (5月5日)
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