2019年05月24日 1576号

【憲法審査会の強行に抗議/再始動は改憲発議への道/総がかり議員会館前行動に500人】

 5月9日、1年6か月ぶりの衆院憲法審査会強行に抗議し、「憲法審査会に自民党改憲案を『提示』させるな」と国会議員会館前に500人が集まった。総がかり行動実行委員会と全国市民アクションの主催。

 この日の審査会では、国民投票法のCM規制について日本民間放送連盟(民放連)から意見聴取が行われた。憲法共同センターの長尾ゆりさんは「憲法審査会を開く必要も条件も全く存在しない。安倍改憲の呼び水となる憲法審を再始動させてはならない」と主催者あいさつ。立憲民主・社民・共産の議員は「安倍首相側近の萩生田(はぎうだ)自民党幹事長代行の“ワイルド憲法審査”発言は“無茶苦茶やるぞ”の表明。国民投票法の前提となる民放連の自主規制は崩れ、欠陥法であることが明白になった」と撤回を求めた。

 傍聴に入った総がかりの土井登美江さんは「一人の自民党議員が安倍改憲4項目をしゃべり、それで提案したと言いかねない。絶対に開かせない」と決意を語る。清水雅彦さん(日本体育大学教授=憲法学)は「自民党改憲案の不純な動機は、国家権力に対する軍事制限を緩めること。国民が望まず国家権力側の政治家が望む。憲法尊重擁護義務のある大臣・国会議員が進める。そんな改憲審議に応じる必要は絶対にない」と力説した。

 改憲問題対策法律家6団体連絡会の南典男弁護士は「CM規制なし=財力の不公平はそのまま、公務員規制あり、最低投票率なしの欠陥法で外堀を埋める策動を跳ね返した。会期末まであと6回(開催可能な)審査会を開かせない。欠陥法そのままに強行すれば、審査会を止め外堀を埋めさせない。改憲案提示は絶対にさせない。そうすれば勝てる」。1年半、憲法審を止めた闘いの真価を発揮する時を迎えた。

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