2019年05月31日 1577号

【2019東アジアの平和のための ZENKO日韓連帯ツアーinコリア 互いに学び 運動力づける】

 5月3〜6日のソソンリなどへの訪問では、様々な思いの参加者が韓国市民と連帯を深めた。寄せられた感想の一部を紹介する。

国策で苦しむ人がいたら、平和ではない

 今回のツアーで、初めて韓国の原発密集地帯、古里(コリ)、月城(ウォルソン)を訪問することができました。周辺に住む人びとに甲状腺がんが多発しているとのことで、そのおひとりのオモニにお話をうかがいました。

 「ムン・ジェインは脱原発宣言をしたのに、なぜ新たな原発を作っているのか? 子どもたちも被ばくしている。心が痛い。未来のために原発をなくしたい」と苦しい胸の内を明かしてくれました。

 そして、ソソンリの達摩(タルマ)山からサード(高高度防衛ミサイル)基地を見ました。「Xバンドレーダーは住民に向けられている。私たちの人権が無視されている」とカン・ヒョヌクさん。

 国策のため苦しむ人、悲しむ人がいたら、本当の平和ではない。韓国でも、日本でも、同じ課題を抱えていることを感じました。

 今回、代案文化連帯のメンバーがずっと行動をともにしツアーをつくってくれました。若いメンバーも多く、活気に満ちていました。互いに学び交流することで、運動がより力づけられると思いました。今後も継続し、連帯を強めていきたいと思います。

(ZENKO京都・石田隆子)

ハルモニの明るさに泣けてしまった

 原発が目の前に見えているのに、海に潜っている海女さん。命を削りながら放射能汚染の海産物を取っている。それを食べてまた命を捨てていく。泣きそうになった。他に方法がないのか。

 ソソンリのろうそく集会では、80歳は過ぎているだろうと思われる女性が明るくはしゃいでいた。なぜか泣けてしまった。翌日「皆、うつです」と聞いて腑に落ちた。つらく苦しい人ほど人前では明るく笑う。ミサイル問題は沖縄も同じ。小林多喜二は『蟹工船』で言っている。「たった1人や2人の、金の欲しい者が戦争を起こす」

 日本領事館前の「慰安婦」少女像、徴用工像も訪れた。国立日帝強制動員歴史館は、自分の富だけを欲しがる戦後の極右翼たちが何を言ったか、もしっかりと伝えている。日本の非道を正当化してきた者の最後に安倍晋三がいた。ロッキードでなくアッキード事件。ウォーターゲートでなくアベゲート事件。日本はあまりにも卑劣で冷酷すぎる。

    (滋賀・松岡潤子)


何ができるか 対話で平和を広げたい

 日韓連帯ツアーで特に印象に残ったのは、新古里原発の現場に行ったこととと達摩山に登ったことの2点だ。

 新古里原発では、以前は住民が住んでいた場所が、原発が建設されると立ち退きを余儀なくされ、今はフェンスで囲われていた。のどかな町なのに原発を稼働することで住民が出ていき、戻って来れない状況となっている。また、原発の近くの海で海女さんが漁をしていた。危ない場所なのに毎日潜っていることを知り、びっくりした。危険と知りながら仕事をしなければ生活ができない。早く原発を終わらせてほしい、原発を止めることで元の街並みに戻るのではないかと感じた。

 達摩山では、山頂に登った時に、旧ゴルフ場の中にサードの発射台が何台か見えた。スポーツを楽しむ施設だったのに、ミサイル訓練を行うのは怖いなと感じた。

 3日目の平和フォーラムの際、東アジアの平和のために何ができるかとの問いに、僕は「対話をすること」と書いた。戦争しないためには対話をすることが一番近い道なのではないかと感じたからだ。今後も、街頭署名などで対話で平和を広げたい。

(大阪・ZENKO参加団・佐々木好雄)



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