2019年07月19日 1584号

【大阪・茨木公演/満席達成/「月桃の花」歌舞団『ガマ人間あらわる』/若者の好演に反響】

 「月桃の花」歌舞団のフクシマ・オキナワとつながる希望のミュージカルコメディ『ガマ人間あらわる』が6月15日、大阪府茨木市で上演され、参加した150人の共感を呼んだ。取り組んだ歌舞団員から報告が寄せられた。

歌舞団カフェで新たな団員

 昨年12月の大津公演を契機に新しく歌舞団員となった若者たちから、「もっとエイサーを踊りたい」「もっと演技をしたい」と声が上がりました。その声に応え、「憲法いかそう茨木市民の会」とともに茨木公演を企画しました。

 まず、ステージの中身を知ってもらうために公開リハーサルを観てもらおうと、宣伝回り。特に若い世代に観てもらいたいと高校や大学を回ったり、協力団体を広げるために地域の公民館を利用している市民団体や人権団体を訪ねたり。僕はそのために平日に4回休みをとって、茨木をはじめ北摂地域を回りました。

 また、2月から駅前ストリートライブを毎週のように行い、茨木公演を宣伝してきました。若者団員も必ず参加し、エイサーはもちろん自ら「どのようにしたらチラシを受け取ってくれるか?」「チケットまで売れるか」と考えて動いていました。土曜日や日曜日だけでなく、関東歌舞団から「平日夜のストリートライブも、違う層の人たちに出会えて反応が大きかったよ」と聞いて、木曜日の夜に茨木市駅前でエイサーライブをしました。

 すると、「運動会でエイサーを踊ったよ。島唄、踊れるよ」という小学5年生に出会いました。早速、衣装を用意し次のストリートライブで一緒にエイサー。5月の公開リハーサル、6月本番でも新たなメンバーを迎えてのエイサーとなりました。

 茨木公演では、20歳のエイサー隊員が「歌舞団に入って自信がついた」とあいさつ。観客から「あいさつをした若い子に感動した」とのアンケートが寄せられました。

 宣伝のかいあって、茨木公演は150人の参加でほぼ会場満席で成功しました。

 私たちのミュージカルは、本番公演がゴールではありません。そこからがスタートです。翌週6月23日の「歌舞団かふぇin茨木」には、ミュージカルの告知記事を見た20代の女性が新たに参加し「歌舞団員になります」と大阪の十三(じゅうそう)スタジオへの見学が決まりました。さらに、茨木でもエイサー隊をつくろうとエイサー練習を始めました。

 職場や学校で閉塞感を持って生活している中、歌舞団ミュージカルやエイサーストリートライブに共感して集まる仲間とともに、各地に歌舞団をつくっていきたいです。

(「月桃の花」歌舞団 若林利行)

お客さんを笑顔にできた

 私は茨木公演を通して自分自身も成長し、そして学んだことがあった。

 公演本番では、自分の思いが見に来てくださった人に伝わるよう一生懸命がんばった。これまでは人前で話しすることが苦手だったそんな私を変えてくれたのが歌舞団の存在、そしてミュージカルだったことを話した。思いが通じたのか、公演後「スピーチよかったよ」「これからも頑張ってね、応援してる」と温かい言葉をかけてもらえてうれしかった。

 自分の思いを伝えることは簡単なことではないし、緊張が伴うけれど、それを乗り越えたら自分の言葉で人の心を動かすことができる可能性があることを学んだ。

 エイサーではお客さんが手拍子してくれている姿を見て、私自身初めて歌舞団エイサーを見たときに元気や笑顔をもらったことと重なった。私もお客さんを笑顔にすることができた。自分がエイサーを始めたときに掲げた目標を達成できてよかった。また新たな目標に向かってがんばっていきたい。

 ユース交流会、感想交流会では避難してきた方から直接お話を聞け、とてもいい経験になった。お話してくださった内容はミュージカルの内容と重なるところが多くあった。当時の苦しみ、そして今の苦しみ。苦しんでいる方がいる。そのことを忘れず、一人一人が他人事ではない自分のこととして受け止めていくべきだとおもった。

(「月桃の花」歌舞団 岩崎奈那美)

◆『ガマ人間あらわる』鹿児島公演

8月11日(日)14:00開演
薩摩川内(せんだい)市国際交流センター
問合せ:info@gkabudan.jp



 
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