2019年10月04日 1594号

【子どもたちの未来のために 朝鮮高校無償化裁判上告棄却に抗議 幼保無償化の差別なき適用を 大阪緊急集会】

 9月18日、「『高校無償化裁判』最高裁上告棄却に断固抗議し『幼保無償化制度』の差別なき適用を強く求める大阪緊急集会」が大阪市内で行われ、定員615人の会場は、高校生や保護者、支援の市民らで満杯となった。

 開会宣言の後、宋恵淑(ソンヘスク)幼保無償化を求める朝鮮幼稚園保護者連絡会代表が「子どもたちが健やかに成長できる学びの場を奪わないで」と無償化制度の差別なき適用を求める基調報告を行った。

 幼保無償化は10月から実施される。しかし、昨年12月関係閣僚合意「幼児教育・高等教育無償化の制度の具体化に向けた方針」と4月「厚生労働省子ども家庭局長通知」を通じて、無償化の対象は認可施設と認可外保育施設とされ、各種学校の外国人学校幼児教育施設88(うち朝鮮幼稚部は40)は適用対象外と決定された。子ども・子育て支援法に照らしても不当な除外であり、「すべての子どもたちを幼保無償化の対象とするために、各種学校の幼児教育施設を無償化対象施設と認めさせること」「『幼稚園類似施設』への国と地方自治体の枠組みでの支援実施、各自治体への働きかけ、要請」を求めていく。

私たちはあきらめない

 大阪高裁などの高校無償化排除を追認する8月最高裁決定について、金英哲(キムヨンチョル)弁護士が報告。「憲法違反や判例違反など上告理由の主張に対し、最高裁の決定通知書は『上告を棄却する』『上告を受理すべきものと認められない』だけで事件には一切触れていない。行政による差別的行為の追認に断固として抗議し、教育を受ける権利を差別的に侵害される子どもたちを救済するために、何度でも闘い続けることを誓う」と強調した。

 大阪朝鮮高級学校・学生代表は「勝利の日まで朝高生は闘う」の横断幕とともに登壇した。「私たちはなぜ、ここにいるのでしょうか。なぜ、日本にいるのでしょうか。私たちの存在、民族教育の権利を認めてください。JR定期券やインターハイ出場、大学入学など、すべて先代たちが闘って勝ち取ったもの。私たちはあきらめない。私たちが受け継いだように、私たちも妹や弟たちに伝えていきたい。絶対に勝ちます」。力強い発言にこたえ会場最前列で立った青年のシュプレヒコールに全体が唱和した。

 大阪朝鮮高級学校オモニ会の高己蓮(コウキリョン)会長は、小学校6年時の自らの作文「自分を育ててくれたウリハッキョ(私たちの学校)。母のようになんでも受け入れてくれる…。大きくなったら、きっとウリハッキョに親孝行したい」と重ね、朝鮮学校への愛に溢れた決意を表明。満場の共感を呼んだ。

 『声よ集まれ、歌となれ』の合唱から、最後に「幼保無償化実現を求める9・26御堂筋ウォーク」への大結集を誓い、熱い集会は終わった。

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