2019年10月04日 1594号

【絶対に認められない/怒りの判決報告会/この国はどこへ行くのか/正義は私たちにある/あきれ果ててもあきらめない】

 東京地裁の隣、弁護士会館で行われた判決報告会は怒りの抗議集会となった。

南相馬市から横浜市に避難している唯野久子さん

 どうしてこんなことになるんだろう。傷ついた人たちはどうしたら報われるのか。

 双葉病院の方たちは悲惨な亡くなり方をした。人をこんなに苦しめて、責任をとらなくていいのか。裁判官はどこを見ているのか。

 みなさんは「また頑張る」と言うが、私はもういっぱいいっぱい。マスコミが無罪だ無罪だと言うかと思うと、想像しただけで頭に来る。だから私はテレビを見ない。

 私たち神奈川の裁判は12月に東京高裁に進むことが決まった。応援よろしくお願いします。

浪江町から兵庫県に避難している菅野みずえさん

 この国はどこへ向かって歩いているんだろう。

 2011年2月に東電の説明を聞いた。「いかなる災害にも耐え得る」と笑うように言った。ひと月後、そうじゃないと証明された。あれは何だったんだべ、はぁ?

 私たちに落ち度があるとしたら、体張ってでも原発に反対しなかった、それだけではないだろうか。そんな私たちに、帰還困難区域を掃除して帰れるようにするという。「東電さえあんなものを撒(ま)かなかったら俺たちはここにずっと暮らしてた」とみんな怒った。そういう市井(しせい)の人間の切なさ、苦しさ、やりきれない悲しさ。なじょして裁判所に届かないんだべ。

 選挙に行く人が少ない。言いたいことを聞いてくれる人がいない。(聞いてあげるよ、の会場の声に)ここの人が聞いてもダメ。この会場を出たら違うんだもの。選挙に行かない人が聞いてくれなければ世の中を変えられない。

 アリが穴を穿(うが)つように頑張るしかない。若い人さ引き入れて、共感する人をつくる。私たちがいつまでも傘さしかけてるわけにいかねぇ。若い人が自分で傘広げなければ。

浪江町から県内に避難している今野寿美雄さん

 勝俣氏が所長だった当時の福島第一原発で働いていた。その勝俣氏が「知りませんでした」「権限がありませんでした」。見苦しい。

 同級生が3人、50歳で突然死した。友人夫婦が中2の娘と90代の母親を残して逝ってしまった。原発で一緒に働いていた先輩が4人、60歳になる前に亡くなった。

 多くの命が奪われた。誰も責任をとらないなんてあり得ない。この国は腐ってる。

 講談師・神田香織さんの言葉をお借りする。あきれ果ててもあきらめない!

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