2019年10月11日 1595号

【関生労組弾圧は改憲態勢づくり/抗議の1日座り込みに200人の労働者・市民が結集】

 生コンミキサー車の運転手などで作る連帯ユニオン関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)が輸送運賃引き上げ約束の履行などを求め2017年12月12日に行ったストライキを「威力業務妨害」罪に問う(大阪第2次弾圧事件)裁判が9月25日、大阪地裁で開かれた。これに合わせ関生支部を支援する労働組合、市民団体が抗議行動を行った。8時30分から16時まで地裁前の公園での座り込み。3回目となるこの日は約200人。回を重ねるごとに参加者が増えた。

 公判は検察側証人の尋問。スト被害を訴えている(株)中央大阪生コンの取締役社長延山春鷹が証言席についた。検察側はスト当日の「出荷妨害」を立証しようとするも、弁護側の反対尋問に延山は、運送会社との契約内容や出荷状況など「自分は知らない」「会長の指示」を連発。薄ら笑いを浮かべて退廷した。同社会長の地神秀治は、生コン業者でつくる大阪広域生コン共同組合の副理事長。連帯ユニオンに敵対する急先鋒の一人だ。

 2人目の証人は宇部三菱セメント(株)の営業企画グループの統括部長。生コン業者に材料のセメントを販売する業界2位の大手。トップの太平洋セメントと2社で約80%を独占する。証人が作成した「ストによる損害額2200万円」とする計算書をめぐり攻防。弁護側の追及で、スト前の駆け込み販売増の事実などを認めた。いかに恣意的な計算がされているが次々と明らかになった。

 前回8月20日の公判では、宇部三菱セメントの運送業務を請け負っている植田組が「元々被害届を出すつもりはなかった」と証言。「警察がストライキの次の週から会社へ事情聴取にきて、警察と弁護士に助言され刑事事件にした」(連帯広報委員会ウェブサイト)。また、取り調べを受けた組合員は「(関生支部は)やりすぎだ。沖縄までミキサー車運んで」と刑事に言われている。

 警察権力が労働組合活動に共謀罪を適用しようとしている事態に、多くの市民が危機感を募らせている。座り込みに参加したZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)などの市民団体は「安倍政権の改憲態勢づくりのための弾圧だ」「労働組合だけでなく市民の権利も危ない」と連帯して闘う決意を述べた。

 当たり前の市民運動・労働運動を守ろうと全国集会が11月16日、大阪で開催される。



 
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