2019年10月18日 1596号

【議会を変える市民と変える/東京都日野市議・有賀精一/新基地止める民主主義の実践】

 日野市議会第3回定例会(9月議会)に以下の市民請願が提出されました。「沖縄県民投票の結果を大切に受け止め、対話による解決を求める意見書を国に提出することを求める請願」

 企画総務委員会では4対3の賛成多数で可決されましたが、本会議では10対13の賛成少数で否決となりました。

 この請願署名運動には、私を含む「日野・市民自治の町をめざす会」も関わりましたが、新たに立ち上がった市民の皆さんが会をつくり、街頭署名や議員への要請を繰り返し取り組みました。署名者数は1965名に及びます。

 多摩地域では昨年、小金井市を皮切りに請願運動が始まりました。「沖縄発 新しい提案 辺野古新基地を止める民主主義の実践〜沖縄の米軍基地の問題の〈公正〉で〈民主的〉な解決を求めます」に応えた運動です。読者の皆さんの中にもご存じの方がいらっしゃることでしょう。

 「新しい提案」は日本全国の都道府県・自治体に対し、普天間基地閉鎖・辺野古新基地建設問題で民主主義の実践を求めています。

 過去の安保反対・基地反対とは趣が違います。オール沖縄の団結は、翁長雄志前知事がことあるごとに述べていたように、保革がお互いに敬意を表し腹八分腹六分に抑えて沖縄の未来をつくりましょう、自己決定権を大事にしましょう、ということ。翁長さんの言葉と「新しい提案」は重なります。この「新しい提案」の実現に向け、玉城デニー知事は全国行脚をしているのではないでしょうか。

 問われているのは政治的立場を超えた本土に暮らす私たち自身であり、私たちの自治体のあり様なのではないか。私に当てはめれば、自分の住む日野市の市政・議会で、東京都の都政・議会で民主主義を実践することが求められていると思うのです。

 20年以上前のことですが、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック代表世話人だった上原成信さんから学習会で、「ちゅにくるさってぃん にんだりしが、ちゅくるちぇー にんだらん」という言葉を教えていただきました。「人に傷つけられても眠れるが、人を傷つけては眠ることができない」という意味です。

 2013年1月、翁長さん(当時那覇市長)は日比谷野音で「沖縄が日本に甘えているのでしょうか。日本が沖縄に甘えているのでしょうか」と問いかけました。

 2つの言葉は私にグサッと突き刺さってくるのです。

 自分の暮らす地域からこの言葉を共有できる人を広げたいと思います。今回の請願運動はまだまだ続きます。
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