2019年10月18日 1596号

【「月桃の花」歌舞団 『ガマ人間あらわる』 JCO事故20年の東海村リハに60人 東海第2原発再稼働とめたい】

 今年は茨城県東海村でJCО事故が起きてからちょうど20年目になる。2人が死亡、約700人が被ばくした大事故だ。その東海村で東海第2原発を再稼働しようという動きがある。東海村では、原発に関心がある人とない人に大きく分かれてしまっているとのこと。そんな中で『ガマ人間あらわる』を見て何か考えるきっかけになれば、と地元でも期待が高まっていた。

 5月に茨城現地の実行委員の方に言われたことは「とにかく人に会って、話をすること。相手にきちんと要求すること。広げてください、チケットを買ってください、人を紹介してください、など要求を明確に出す」

 アドバイスをもとに8月はとにかく人に会った。会った人は1か月で33人。電話で話した人も入れたら42人。どんどん人の輪が広がっていった。

自分をさらけ出す

 「ちらしを入れさせてほしい」といろいろな団体の実行委員会に参加した。一番緊張するのは最初の自己紹介だ。もちろん、『ガマ人間―』で伝えたいことをアピールする。沖縄の基地のこと、福島のこと、労働のこと。でもそれだけではなかなか相手に響かない。もう少し踏み込んで自分のことを話す。言いたくないことも話す。例えば私だったら、地元の水戸一高という進学高の卒業生ということや夫をがんで亡くしたこととか。それで、なぜ歌舞団の活動をやっているかなど。

 公開リハーサルの時、若い団員が「世間では政治のことや不満を言えない空気がある。でも、その空気を打ち破って叫んだ時につながりができるのでは」と語っていた。

 どんなにきれいな言葉より、自分の弱みをさらけ出して語ることができたら、相手の心に響くのではないかと思う。

動けば道が広がる

 チケット販売は公開リハ時点で4枚。だから、その場で、チケットを販売し、預かってもらうことが必須だった。元東海村長の村上達也さんもリハを観て、「重層で素晴らしいミュージカルだ。本番も行きます」と賛同し名刺広告を出してくれた。団員みんなで取り組めたことで、チケット預けが10人、65枚になった。

 そして次の日から電話作戦。来た方や受付名簿に書いてくれた方に、電話をして感想を詳しく聞いた。預けが20枚増えた。どんどん動いていくことで道が広がっていく。希望が生み出される感じがする。

 本公演まであと2か月。つながりを広げ、このまま爆走したい。原発マネーに負けないつながりを作って、満席のお客さんで成功させたい。茨城でも歌舞団を増やしていきたい。

(「月桃の花」歌舞団・東日本公演担当 神子幸恵)

◆茨城公演 11月24日(日)14:00開演/茨城県総合福祉会館コミュニティホール(水戸市)

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