2019年11月01日 1598号

【韓国 済州島 第2空港建設反対 環境アセスは返上せよ なぜ済州の青年が立ち向かうしかないのか? ノ・ミンギュさんが断食に突入】

 韓国・済州(チェジュ)島で、新たな軍事空港の狙いを持つ第2空港建設への動きが緊迫の度を増している。空港建設を所管する国土部(日本の国土交通省にあたる)が建設の前提となる環境アセスメント「戦略環境影響評価書」を環境部(環境省にあたる)に提出し、第2空港に反対する人びとはただちに撤回と建設反対の声を上げた。11・4団結まつり(大阪)、12月ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)スピーキングツアーに参加する済州島の反基地活動家ノ・ミンギュさんは10月18日、韓国中部・世宗(セジョン)市の環境部庁舎前で「環境部長官は面会に応じろ、戦略環境影響評価を返上せよ、葛藤(紛争)調停協議会を構成せよ、済州第2空港反対」と無期限断食闘争に突入。日本からの連帯が求められている。記者会見発表文(要旨)を紹介する。



 第2空港反対の宣伝に出かけたとき、ある方が私に尋ねました。「第2空港になぜ反対するのか」と。

 私は、私を含めた済州の若者たちが行く場所を失うからです、と答えました。

 再度お話させていただきます。

 私が第2空港に反対する理由は、済州に空港は2つも必要がないと考えるからです。既存の空港だけでも十分です。ADPI報告書(フランスのADPI社が国土部の依頼で作成、5月に公開)もまた既存の済州空港を活用すれば十分だと言及しています。

 2つ目の理由は、済州にもう一つ空港が作られれば済州島の姿がすっかり変わってしまうからです。済州の乱開発がより一層加速化することは間違いありません。

 そして、私が生まれ育った故郷の済州島から追い出されることになるからです。お金のない人や土地がないひとは行くあてを失ってしまいます。空港建設によって莫大な費用と責任が若い人々にのしかかることになります。

 私はもうこれ以上行くところもないので、この場所に立ちました。

 10月10日、環境部長官に面談を要請しました。16日までに回答がほしいと言いましたが、何の回答もありません。

 今日まで国土部とウォン・ヒリョン済州島知事はこの事業を一方的に進めてきました。しかし、今からでも第2空港事業を即時中断しなければなりません。環境部は国土部に戦略環境影響評価書を返戻しなければなりません。

 私の要求は以下の通りです。環境部は、環境影響葛藤(かっとう)調停協議会を構成すること。

 この要求事項を聞き入れるまで、私は無期限断食を続けようと思います。私が断食をする理由は、この方法以外にメッセージを伝える方法が無かったからです。

 私は無期限断食をしようと決心はしましたが、3日もできるでしょうか、7日もできるでしょうか、保証はありません。様々な悩みや憂慮がありますが、にもかかわらずこのように断食ができない人が、断食をやってみるということをお伝えします。

 済州第2空港事業は今すぐに中断されなければなりません。済州道民たちを追い出しながら、済州島の青年たちの道を奪ってまでこの事業を推進しなければならない理由はありません。

 私は環境部長官がすぐに面談要求に応じ、第2空港事業地域民たちの集団要請を受け入れ、環境影響葛藤調停協議会を構成することが、紛争を解決し社会的混乱と費用を抑える方法であるという当たり前の話を再度したいと思います。

 環境部長官に警告します。知識人の良心を売らず、地位に執着するのではなく、原則に従って信念に従って行動することを求めます。私は済州道民100人の手書きの手紙を持ってきました。この手紙を環境部長官に伝えてほしいという道民たちの気持ちがかなうようお願いします。

2019年10月18日
環境部世宗庁舎前で断食を始める済州青年 ノ・ミンギュ

ホームページに戻る
Copyright Weekly MDS