2019年11月01日 1598号

【金城実さん/植民地支配の歴史を知れ】

 ここ亀戸は関東大震災で在日コリアンが大量虐殺された場所。政治家が旗を振り、無知な国民がのってしまった。

 沖縄は1879年までは琉球国だった。台湾、朝鮮半島に植民地政策を敷いた時期に消された。日本人は歴史健忘症に陥っている。

 沖縄には民主主義がない。安倍政権は「沖縄に寄り添う」と言いながら、裏で踏み潰す。「集団自決」で軍の命令があったことは裁判で立証済みだが、曽野綾子は「天皇陛下に命を捧げた。日本を愛していたから自分で死んだ」。いい加減にせんか。

 植民地に対し日本国民と日本政府は反省も学習もしていない。在日コリアンの歴史も知らず、「10億円出すから慰安婦像を撤去しろ」。ばかにするんじゃない。チャラになったのは、朴槿恵(パククネ)の父、朴正煕(パクチョンヒ)と安倍晋三の祖父、岸信介のころからだ。

 基地跡地利用で吉本興業は「教育、芸能、文化的に立派なものを作ってやる」と金儲け。「なぜ吉本興業か」。質問に安倍さんはチンプンカンプンまともに答えない。

 頭をよぎったのが1894年の杣山(そまやま)事件。森林の共有地を、ヤマトンチュの県知事が金持ち連中に切り売りした。これを植民地という。沖縄からよく見えるのはそこだ。

 1913年、野原光輝(こうき)という26歳の青年が県庁の建物に火をつけた。東京で教育を受け、沖縄県の公務員になっていた。県知事も上司も全部ヤマトンチュ。頭にきて、仕事を終え羽織袴に替え、人力車に乗って県庁の焼き討ちに行く。焼いた後は堂々と出頭した。「めらめらとよく燃えた」と沖縄の新聞は書いた。

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