2019年11月08日 1599号

【1599号主張 沖縄、韓国の反基地闘争に連帯/ZENKOスピーキングツアーへ】

辺野古訴訟不当判決

 辺野古新基地建設を強行する国を相手に沖縄県が起こした「関与取り消し訴訟」で、福岡高裁那覇支部は10月23日、国の主張を全面的に認め、県の訴えを却下した。

 沖縄県による昨年8月の「埋め立て承認撤回」に対し防衛省沖縄防衛局が行政不服審査法を悪用して行った審査請求で、国土交通相は県の承認撤回は無効と裁決した。高裁はこれを容認し、県の「行政不服審査法は私人の権利保護を目的としており、国の機関である防衛省は対象外」「国交相は防衛相と同じ内閣の一員であり、審査に公正さを欠く」とする当然の主張を一蹴した。

 法治国家の道理も沖縄の民意も無視し、政府のデタラメな行為を免罪する不当判決だ。認めることはできない。

中東海域への派兵阻止

 辺野古新基地建設や大軍拡と一体の戦争政策として、安倍政権は新たに中東海域への自衛隊派兵方針を決めた。

 安倍首相は10月18日の国家安全保障会議で、中東への自衛隊派遣を検討するように指示した。菅官房長官は、東アフリカのアデン湾で「海賊対処」活動にあたっている部隊の活用も含め、海上自衛隊の艦船や哨戒機の派遣を検討することを明らかにした。

 今回の自衛隊派兵は武力行使への道を開くものだ。10月23日の衆院外務委員会で、防衛省の槌道(つちみち)防衛政策局長は「必要な措置をとる場合には『海上警備行動』の発令が考えられる」と述べた。自衛隊の活動目的が「調査・研究」から「海上警備行動」へと移行し、武器を使用する可能性を公式に認めたのである。

 また、河野防衛相は10月25日、米国主導の有志連合構想に参加予定のオーストラリアの国防相と電話会談した。その際、自衛隊が派遣された場合には日豪の「部隊間で情報交換ができるようにしよう」と話した。さらに、バーレーンやアラブ首長国連邦の国防トップに情報提供を行う意向も伝えている。武力行使、共同作戦を行い、全面的な集団的自衛権行使に踏み込む改憲への地ならしだ。

 他国の人びとに銃口を向ける自衛隊の中東海域派兵を止めなければならない。

沖縄・韓国民衆とともに

 戦争政策を止め、平和・互恵の東アジアを作るのは、市民の運動の力だ。

 沖縄では、10月21〜25日「ストップ辺野古連続5日大行動」が行われた。辺野古への土砂を搬出する名護市安和(あわ)桟橋前の抗議活動は、ダンプカー入構を完全に止めた。集まった市民は「大勢の人が集まれば工事は阻止できる」との思いを強くした。

 韓国では、空軍基地につながる済州(チェジュ)島の第2空港建設に反対するハンガーストライキ(断食闘争)が今も行われ、内外に支援が広がっている。沖縄とともに戦争政策に反対し東アジアの平和を求める闘いが繰り広げられている。

 11月3日、安倍改憲発議阻止、辺野古新基地阻止、東北アジアの平和などを掲げ全国統一行動が行われる。ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)は、沖縄、韓国で反基地闘争を担う市民を迎え、12月に全国スピーキングツアーを行う。多くの参加で成功させ、沖縄、韓国民衆の闘いへの連帯を全国に広げよう。

   (10月27日)
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