2019年11月08日 1599号

【地域の声を力に変える 広がる戸別訪問】

下町の路地裏をくまなく フードパントリー スタートへ 東京・足立区

 東京・足立区千住地域で戸別訪問活動を重ねる「平和と民主主義をともにつくる会・東京」。10月26日午後も、土屋のりこ足立区議をはじめメンバー7人が3つのチームを作り、住宅や商店、小さな事業所が立ち並ぶ下町の路地裏をくまなく歩いた。

 この日、会話の糸口にしたのは、近く立ち上げる予定の千住フードパントリー(仮称)のこと。「急に病気になった」「失業してお金がきびしい」「子育てが大変」といった時に無料で食材を配布し、「食」の安心を支えようという取り組みだ。11月16日に開く「スタートのつどい」(14時〜千住関屋町8-8パラマウント・ワーカーズ・コープ2階)の案内チラシを手に、ドアをたたいていく。

 ところが、あるチームは最初に訪ねた集合住宅で21世帯すべてがチャイムに応答なし。気を取り直して今度は一戸建てを中心に回ると、80歳の独り暮らしの女性がチラシを見て「私も行っていいのかしら。パラマウントなら場所は分かるし」と言いつつ電話番号を教えてくれたり、薬局の薬剤師が「(フードパントリーは)知ってます。どこがお金出してるんですか」と関心を示したり、と好反応に出会えた。

 一方、別のチームは1軒目で男性と話し込むことができ、「土屋のりこ通信」読者になることもOKしてもらえる幸先のよさ。足立区政に関するアンケートにも「足立区は基金1600億円もため込んでいる」「フード・フォー・オール(すべての人に安心できる食事を)っていい言葉だ」「食費を節約すること、ある」「国民健康保険とか介護保険料、値下げしてほしい」と話が弾んだ。

 荒川と隅田川に挟まれた千住地域とあって台風19号の被害も話題に。「家族5人で避難したが、子どもが小さく、声を上げて周りに迷惑がられた。子どもも避難できる場所があるといい」「2階までしかない住宅は被災の可能性あり、と区から連絡があったが、当日は避難は無理。前もって避難しないと」。ぜんそくの持病があり、台風や低気圧が通るたびに症状が悪くなる、と心配する男性もいた。

 3チーム合計で94軒訪問し、対話できたのは7人。「土屋のりこ通信」の新たな読者が5人得られた。フードパントリーについては「この地域は足立区でも所得の高いほうで、食べものに困っている人は少ないよ」という声もあり、どんな層を対象に参加を呼びかけていくか、具体化を進める。

数字も使い共感と話 切実な声が寄せられた 大阪・茨木市

 週刊MDS1590号「消費税は廃止できる」の記事に“これは使える”と確信した。法人税と高額所得者の税率の推移をネットで調べ、大企業・富裕層優遇の税制を具体的な数字で話せば、きっと納得と共感が得られると思った。

 「高齢化で年金や医療費が膨らみ消費税増税は仕方ないと思われているかもしれませんが、実態はこうですよ。私もこの数字を知って怒りがわいてきました」とグラフを見せて説明すると、ほとんどの人が話を聞いてくれる。そして署名のお願いをする。台風被害や関電スキャンダル等、政治と関連して話せる話題はたくさんある。

 こうした話をする中で、自分の話をしてくれる人がいる。「自宅で突然体調が悪くなり119番したが、いくつか病院を紹介され『ここへ電話してください』と言われた。たまたま大事に至らなかったからよかったけれど…」と救急医療体制の充実を切望された。

 在日の方を訪問した時には、「最近、家主らしい人が来て、ここの土地が借地らしいと言われた。50年も住んでるのに今頃なんで?と不安になっている」と話してくれた。

 「茨木市民の会ニュース」読者の方への訪問では、不公平な税制の話をしながら団結まつりのチケット販売を忘れないようにしている。担当する読者の1割の方にチケットを買ってもらうことができた。

 歩みはわずかだが、この積み重ねが大切だと思う。

(憲法いかそう茨木市民の会・中野晴久)

貴重な出会いと対話 継続しつながりを 大阪・枚方市

 10月14日休日の午後、「平和で豊かな枚方を市民みんなでつくる会」の4人で樟葉地域を戸別訪問。2人ずつにわかれて会報「平和がいちばん」読者宅を訪れ、平日は仕事をされている方々に会い対話することができました。生活や社会について心にためていることを次々と話され、知らない情報には耳を傾けてくださいました。私たちにとっても貴重な機会です。

 50代ぐらいの男性は「安倍はいいかげん。維新もいいとは思わない。仕事しているので郵便受けに案内など入れといてくれたら、仕事のないときは参加します」と話し、「軍事費を社会保障に」署名にも署名してくださいました。

 年金暮らしの女性は「月々医療費が自分と息子で1万円もかかる。いらない検査までされているようで、このような医療を改めるように取り上げてほしい」と話します。

 パートで働きながら、保育園に通う2人の子どもを育てているお母さん。「保育無償化で2万円助けられた」と言われたことをきっかけに、保育の無償化の陰にある問題や教育への民間導入を進める枚方市の状況、水道民営化の心配などの話になりました。耳を傾け、家族4人分の署名をしてくださいました。

 社会に疑問を感じ情報を求めている方たちがいるとあらためて感じ、継続して資料や案内を届け、つながりを深めていきたいと思いました。

(平和で豊かな枚方を市民みんなでつくる会・井上由美)

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