2019年11月15日 1600号

【1600号主張 安倍の憲法・民主主義破壊 関西生コン労組大弾圧許すな】

腐敗の極み

 安倍政権閣僚の暴言、辞任が相次いでいる。

 萩生田文科相の「身の丈」発言に高校生をはじめ世論の猛烈な批判が集中し11月1日、民間英語試験導入は延期に追い込まれた。教育の機会均等(憲法26条)を否定し、受験の民営化で大学進学の格差を一層拡大することがあらわになった。「身の丈」発言は安倍政権の新自由主義・格差貧困拡大を正当化しており、試験見送りではすまない。萩生田は更迭、辞任以外にない。

 さらに、その直前の1週間のうちに2人の大臣(菅原経産相、河井法相)が公選法違反を追及され、辞任した。公選法違反は明らかな犯罪で刑事訴追すべきだ。大臣辞任で免罪されるものではない。関西電力の原発汚職も背任・収賄という犯罪であるにもかかわらず、検察は刑事訴追に動かない。安倍政権のもとで権力者・財界の腐敗、法律違反がはびこる異常事態だ。

憲法破壊の関生労組弾圧

 こうした状況と呼応するように、労働組合や基本的人権を破壊する弾圧が進んでいる。全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関西生コン労組)に対して、ストライキ、ビラまき、団交要求を威力業務妨害、強要未遂、脅迫未遂などとして犯罪に仕立て上げる大弾圧だ。組合員をのべ87人も逮捕し、武(たけ)執行委員長をはじめ3人を不当拘留し続けている(11/1現在)。

 ビラや団交で労働者の要求を突き付け、経営陣の不正を追及し、非正規労働者の正規化要求することが「脅迫未遂」とされるなら、労働組合活動はなりたたない。労働組合活動に警察が介入してはならないことは原則だ。憲法28条が保障する労働基本権、労働組合法が定める諸権利の破壊行為が公然と行われている。

 その規模は滋賀県警組織犯罪対策課に始まり、近畿一円(京都、大阪、和歌山、奈良)の警察にわたっている。各府県警の暴走ではなく、安倍政権―警察庁のもとで行われた共謀罪(テロ等組織犯罪対策法)の実質化だ。労働組合が会議で打ち合わせることまで「共謀」として犯罪にしようと画策している。

 弾圧には、ネットや一部マスコミを使って労働組合活動を「反社会勢力」と描き、警察・司法が動く手口が用いられている。安倍政権や資本にたてつく者は「反社会勢力」として力で押しつぶす。一労働組合だけではなく、すべての市民にかけられた民主主義破壊攻撃である。

11・16集会成功を

 関西生コン労組弾圧反対の闘いは、労働者と地域経済を守り、非正規労働・格差貧困の拡大に反対し、共謀罪など安倍政権の憲法破壊を許さない意義を持つ。11月16日「声をあげよう!弾圧ゆるすな全国集会」(大阪)が呼びかけられ、全国から賛同と支援が集中している。一部マスコミの「反社会勢力」報道を名誉棄損で訴えた裁判も東京で始まった。警察庁、各府県警への抗議行動もとりくまれている。弾圧をはね返し権利を回復することが改憲をはばむ。

 安倍政権による憲法、法律破壊の進行は、中東海域派兵策動や辺野古新基地建設強行、違法閣僚の擁護、東電幹部無罪・関電汚職などの免罪と挙げればきりがない。わき起こる市民の怒りをたばね民主主義を守ろう。

   (11月4日)
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