2019年11月15日 1600号

【イラクと日本 イラク政府は弾圧をやめよ 安全、雇用、自由への闘いを イラク労働者共産党が声明】

 イラクで10月初旬から全土に広がった市民デモ。政府の大弾圧にもかかわらず、25日以降再びデモは拡大し、「死者が少なくとも100人に達し、負傷者は5500人を超えた」(イラク人権委員会)という。一方、政権内部からアブドルマハディ首相退陣の意向が伝えられるなど、情勢は緊迫している。イラク労働者共産党は連続して声明を発し、権力闘争を批判するとともに、安全、雇用、自由を求める闘いに立ち上がろうと市民に訴え、世界の進歩勢力にイラク政府への抗議行動を呼びかけている。その要旨を紹介する。(翻訳はイラク平和テレビ局in Japan)

安全、雇用、自由を 民族主義、イスラム主義勢力から我々の隊列を引き離すために正当な要求を掲げよう

 いくつもの政党が10月25日、イラクのすべての都市で様々なスローガンでデモと抗議行動を新たに呼びかけている。

 だが、我々は労働者であり、仕事を求める何百万人もの失業者であり、平等を擁護する。我々の要求とスローガンこそ、虐げられた貧しい大多数の民衆の利益を反映している。

 権力に入り込む民族主義、イスラム主義の潮流は、影響力や特権をめぐって反目し対立している。背後には、中東地域や世界で対立する列強の策略があり、我々の運動や熱意を利用しようとしている。

 市民の皆さん。あらゆる場で声を上げ、我々の要求を実現するために、「安全、雇用機会または失業給付、自由」のスローガンのもとに何百万人もの隊列を組織しよう。

1. 度重なる逮捕をやめ、拘束者を即時釈放せよ

2. 政治的自由を保障せよ―デモ・ストライキの権利、意見表明の自由を認め、メディアを擁護し、インターネットの切断など自由の行使に敵対するあらゆる抑圧を撤廃せよ

3. デモ参加者への発砲に関与したすべての関係者を捜査し公開裁判にかけよ

4. すべての汚職を公開の裁判にかけよ

5. すべての失業者に失業保険給付を保障せよ

6. すべての市民に快適な住居を提供せよ

7. 政府による社会保険、無償の医療、教育を提供せよ

8. 適切な価格の電気と飲料水を提供せよ
 
 あらゆる場で労働者、市民を組織し、我々のスローガンと要求の周りに結集するために、自由で尊厳ある生活の獲得に向けて確実に前進しなければならない。

 民衆の正当な要求万歳。
 
2019年10月20日

イラクと世界のすべての人権団体への訴え イラク政府は抗議行動参加者への家宅捜査、逮捕、誘拐をやめろ

 アブドルマハディ政権と血に染まったその私兵は、何百人ものデモ参加者を殺害し何千人も負傷させた。それにとどまらず多数の都市で抗議行動参加者の大量逮捕と誘拐の作戦を開始した。

 この人権無視のすべてに反対して立ち上がらなければならない。

 イラク労働者共産党は、逮捕を重ねる手口を抗議する活動家の権利の侵害として強く糾弾する。その犯罪行為は、悲惨な生活現実を極限にまで変えてしまう。

 イラク労働者共産党はまた、アブドルマハディ政権とその私兵に対し、このような犯罪行為をやめ、デモに参加した活動家の命と安全に責任を取れと要求している。

 同時に、全世界の進歩的諸勢力をはじめ議会、労働団体、人権団体、そして自由と人権の擁護者に、血塗られたイラク政府に対し、民衆への大規模な人権侵害をやめすべての拘束者を無条件に釈放させるために、あらゆる圧力をかけるように訴える。

2019年10月9日

《抗議先》

◆イラク大使館 FAX03-5790-5315 TEL 03-5790-5311

◆外務省 TEL03-3580-3311
  URL https://www3.mofa.go.jp/mofaj/mail/qa.html



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