2019年11月22日 1601号

【1601号主張 ZENKOスピーキングツアーへ 武力なき東アジア平和を】

うごめく好戦勢力

 中東・東アジアで好戦勢力が執拗にうごめいている。

 11月7日、米主導の対イラン有志連合が司令部を立ち上げ、正式に活動を開始した。すでに10月下旬からペルシャ湾などで国際海事演習が実施され、50余国から40隻以上の艦船が参加。日本も、海上自衛隊が掃海母艦など2隻と隊員180人を派遣した。

 日本政府がもくろむ中東海域独自派兵については、海賊対策の名目でアフリカ東部ジブチを拠点に活動する護衛艦1隻とP3C哨戒機2機の活用に加え、護衛艦の追加派遣を検討している。

 東アジアでは、近く米軍と韓国軍が合同空中演習を実施する。朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は「対決宣言だ」と反発した。米国は日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)終了(11/23)の延期と協定維持を日韓政府に促している。対中国・朝鮮の日米韓軍事協力の亀裂を回避し強化する危険な動きだ。

 安倍政権の改憲策動や大軍拡、辺野古・南西諸島での基地建設強行は、これらの企てと連動しアジアに軍事緊張をつくりだしている。

改憲と民主主義破壊

 安倍戦争・改憲路線と一体で進む民主主義破壊、国家私物化が目に余る。

 文化庁による「あいちトリエンナーレ」補助金不交付に続き、ウィーンで開催されている日本・オーストリア国交150年記念事業の芸術展について10月30日、日本大使館が公認を取り下げた。芸術展には、安倍首相に扮(ふん)した人物が歴史問題で韓国や中国に謝罪する動画や昭和天皇風刺の作品があった。公認取り下げは、安倍政権の歴史修正の動きに不都合な表現は一切認めないとするものだ。歴史をゆがめ、表現の自由を侵害する姿を世界にさらした。

 予算委員会で安倍は、加計学園問題などの追及に逆上し、低劣なヤジ・暴言を連発。国会と主権者無視の姿勢をあらわにした。また、総理大臣主催「桜を見る会」に安倍や閣僚らの後援会員を多数招待し、予算を巨大化させたことも暴かれた。税金の私物化であり、公職選挙法違反(買収)で辞任した菅原前経産相、河井前法相と何ら変わらない。

 横暴ぶりが目立つが、これは憲法審査会での改憲論議が思惑通り進まず、焦っている表れでもある。民意を顧みず強行を重ねる安倍が、英語民間試験導入という教育民営化に向けた基本政策で後退を余儀なくされた。意味は大きい。「身の丈」発言批判世論が広がり、当事者である高校生たちも声を上げた結果だ。

 今こそあらゆる怒りを集め、安倍退陣へ闘いを強める時だ。

韓国、沖縄との連帯で

 戦争、改憲を阻むのは、韓国、沖縄民衆と連帯した市民の力だ。韓国ではソソンリ、済州(チェジュ)島の反基地闘争や文在寅(ムンジェイン)政権にGSOMIA反対を突きつける市民の闘い、沖縄でも辺野古、南西諸島で新基地反対の闘いが粘り強く続く。

 ZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)が呼びかける「武力なき平和をつくるスピーキングツアー」(11/30北海道〜12/8大阪)は、この韓国、沖縄の反基地の現場からゲストを招き、連帯して闘う方針を共にする。全国で成功させ、安倍の暴走を止め、東アジアの平和構築を進めよう。

   (11月11日)
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