2019年11月22日 1601号

【控訴審逆転有罪判決へ 東電刑事裁判 キックオフ集会】

 東京電力旧経営陣3人を無罪とした東京地裁判決を許さず、逆転有罪判決をめざす全国集会が11月11日、参院議員会館で開催され、200人が集まった。

 冒頭、『東電刑事裁判 不当判決』を上映。判決の不当性を33分の映像に分かりやすく整理している。今後、各地で上映を重ね、控訴審を1回だけで終結させず逆転有罪に持ち込む世論をつくり出そう、と呼びかけられた。

 海渡雄一弁護士が判決を逐条解説し、誤りを列挙した。「双葉病院の患者の死亡について触れたのはたった2行。東電は、国の地震調査研究推進本部の長期評価(津波地震予測)に基づいて対策したとしても間に合わなかった、とそらすが、水密化や電源設備移設は短期間でできた。防潮壁も陸に設置すれば、浜岡原発や東海第2原発の例から、数年もかかる工事ではない」と一蹴。「部下が(津波対策を)検討してください、と言ってきたのに上司が聞き入れなかったことが根本問題」と批判した。

 河合弘之弁護士は「裁判の目標は日本中の原発を止めることだ。関電事件は千載一遇のチャンス。告発人になって裁いていこう」と訴えた。

 リレースピーチでは、南相馬から横浜に避難中の村田弘さんら4人が怒りの発言。双葉病院に入院していた父親を移動時に亡くした大熊町の菅野正克さんは「見ざる聞かざる言わざる、そして知らざるとの被告の立場を認めた判決だ。人権無視の判決は到底受け入れられない。帰還政策でも、安全確保はないがしろにされている」と怒った。

 主催者から今後の方針として、『東電刑事裁判 不当判決』上映運動や東京高裁前宣伝行動、「関電の原発マネー不正還流を告発する会」入会などの呼びかけがあった。

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