2019年11月29日 1602号

【MDS集会 東京 戸別訪問活動の経験を交流 最初の一歩は勇気/継続による信頼が大切/要求実現、地域の民主的変革へ】

 MDS(民主主義的社会主義運動)は11月17日、都内でMDS集会を開き、「安倍政権の改憲・生活破壊への対案は民主主義的社会主義」と呼びかけた。山川よしやすMDS書記長の基調講演(要旨2面)に続くリレートークでは、戸別訪問による対話を通じて地域に民主主義的社会主義の展望を示す活動を交流した。

 東京・足立区で戸別訪問を行ったメンバーが振り返る。「来日したDSA(アメリカ民主主義的社会主義者)の活動家に『一番重要なことは』と質問したら、日本語で『最初の一歩』と答えが。その言葉をかみしめ、勇気を持って踏み出した。最初は郵便受けへの投函も拒否されたが、次から恐怖心はなくなり、『どうすれば話を聞いてもらえるか』に集中。見知らぬ若者の訪問は詐欺と疑われる。土屋のりこ区議の名刺を首にぶら下げると全く反応が違った。対区要望アンケートを渡し、『来月また訪問させてください』。3日目、集金に回っていた方から『土屋さんを支持するので、自分の所にも来てくれないかな』とうれしい言葉をもらった。『選挙が終わったあとに回ってくれるなんて今までない。電気を止められるほど追いつめられ、死ぬしかない。本当に助かる』」

 平和と民主主義をともにつくる会・東京の石島孝さんは戸別訪問の意義を強調した。「安倍政権の貧困・格差拡大が多くの人にかぶさり、『要求してはいけない』『要求してもむだ。実現しない』と思い込まされているがゆえの閉塞感がある。『要求してもいい。要求を掲げ、共に闘おう』ということを実現していくのが戸別訪問活動だ」

 カジノ導入表明後、林文子市長リコール運動が盛り上がる横浜・鶴見区でも取り組みが進む。「訪問する前にまずメンバー同士で練習。訪問後は振り返る時間をとる。8月初めから週1回、『青島まさはる通信』読者150名、リコール署名受任者200名を獲得した」。東京・日野市からは「最初すごく怖かった。焦らず続け、政治と生活が結びついて理解者が増えたらいいなぁとポジティブに考えたい」と初めて家々のドアをたたいた報告が続く。

 地方議員も決意表明。日野市議の有賀精一さんは「台風19号で障がいを抱える方の避難の深刻さが浮き彫りに。車椅子用トイレがないとしんどい。災害弱者への取り組みを強化する」、足立区議の土屋のりこさんは「車椅子の方の相談を受け要望したところ橋の工事が階段からスロープへと車椅子通行可能な計画に変更された。議員の発言力は大きい。年明け、フードパントリーを開始する。食提供の事業で行政の貧困問題不作為に迫る」と力強く語った。

 労働組合で立ち上げた印刷会社を15年間継続し、昨年廃業した田中克治さん。「グローバル資本によって独占禁止法が骨抜きされ、中小零細の倒産件数は去年の1・5倍。われわれの事業もプリントパックに殺されたようなものだ。今の勤め先はホームレス支援施設。台東区は台風時、ホームレスの人たちを追い返した。大言壮語ではなく、地域から社会を変えていきたい」

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